災禍

自分は今日、大変なことをしてしまった。軽率で、無責任で、無思慮で、身勝手なことをしてしまった。それで職場の上司にとてつもない迷惑をかけることになってしまった上、あろうことか、事務方トップの役員のメンツを丸つぶれにして顔に泥を塗りたくるような無礼極まりないことをしでかしてしまった。それは自分の身を守るための行動だったが、自分の4年間築き上げてきた信頼は少なくとも上司の間では完全に失墜し、おそらくキャリア上において大きな汚点を残すことになってしまった。行動の種類も原因も結果も全てが秘匿すべき事項であり、自分と上司ととある来客者しか知らないことなので、ただちに自分の立場がなくなるわけではない。しかし、どんな罰を受けても仕方ない、どれだけ叱責されても致し方ないことをしたのだから、いずれは厳しい立場に立たされることになるだろう。もちろん。法的、人道的、社会的に何か悪いことをしたわけでは全くない。ただ、人と人、組織と組織の関係をぶちこわすような、取り返しのつかない振舞いをしてしまったのである。上司が事態収拾のための対応に当たっている間――それは今日1日ずっとだったのたが――生きた心地がせず、おかしなくらい脇汗が出て、カオスのような混沌とした心理状態に陥っていた。夜は前から決まっていた予定で、職場のボウリング大会と懇親会に参加したが、とてもそんなものを楽しめる状態ではなかった。顔は笑っていても心は死んでいた。事ここに至っては、もはや上司と役員にお詫びして、相応の罰を受けるまで、平穏な心は帰ってこないだろう。今はまだ明かすことが出来ないが、いずれ部分的に説明することが出来るようになると思う。何でもっと早く手を打たなかったのか、そもそもこんな話に乗るべきではなかった、悔やんでも悔やみきれない。自分の浅はかさを、これからも呪い続けることになりそうだ。

(20分)