年度末クライシス

1月は行く、2月は逃げる、3月は去る・・・と言えば、各月の頭文字に引っ掛けた有名な定型句だが、3月中旬の今、自分の仕事は年度末進行で多忙と混迷を深め、心身は限界に達しつつある。肉体的な業務負荷の重さと精神的な余裕の無さは、連日の深夜に及ぶ長時間労働と休日出勤でカオスの様相を呈していた2018年3月を彷彿とさせる。

 

例えば、昨日から今日にかけての勤務・生活時間の内訳は、以下のような内容だった。

 

<3/11(月)>
17時00分 定時
18時00分 退勤
18時30分 帰宅
   夕食、家事(皿洗い、トイレ・風呂そうじ、洗濯物干し)、子供の風呂
22時00分〜23時15分 在宅ワーク(次年度行動計画・数値目標案作成)
23時17分 眠気の限界でコタツで失神、そのまま朝までコタ寝

<3/12(火)>
4時00分 起床
4時00分〜6時10分 在宅ワーク(次年度行動計画・数値目標案作成)
   家事(洗濯物取り込み、子供の朝食準備)、身支度
7時00分 出発、眠気に耐えかね、通勤途中で駐車場で10分仮眠
7時45分 出勤
8時45分〜10時15分 雪上を歩き回り樹木の折れ枝の切断・除去作業
     電話、書類チェック
12時〜12時55分 昼休み:在宅ワークで作った資料データを自宅に忘れたため、片道20kmを高速道路を使って往復。PCごとデータを回収
13時25分〜16時00分 会議
16時00分〜45分 在宅ワークの資料を完成、施設の広報用SNSに記事を執筆・投稿
17時00分〜30分 資料を所長・次長にレク、一部修正指示を受けるも内容について了承を得る
18時00分 退勤
18時40分 帰宅

 

・・・とまあ、こんな具合だ。睡眠時間が5時間と短いこと、帰宅してから深夜と早朝に計3時間持ち帰り残業をしているのが、非常に不健康で労務管理上も大いに問題な部分である。単純な労働時間であれば、6年前のほうがずっと長かった。休日も含め毎日6時間超勤をしていたが、まだ若かったのと、家事育児を負担していなかったこと、不摂生ながらも「規則正しいリズム」を続けていたことから、まだ何とか耐えられていた。しかし、それから時は流れ、自分ももはや36歳。今回のような無理な働き方をすると、1回で非常に大きなダメージを受けるようになってしまった。今日は朝から疲労しており、呂律も回らなければ思考も回らないという「酩酊状態」が一日続いた。心臓は動悸がして左胸は時々傷んだ。頭がぼわーっとして、離れたところにいる人の声がよく聴こえない。パフォーマンスは低かったが、翌日が公休日ということで無理やり乗り切った。とてもではないが、毎日続けられることではない。しかし、公休日の明日も、残念ながら休日出勤して仕事をしなければ首が回らない状況だ。モグリではあるが、営業日なので同僚の多くは出勤しているので隠れることはできない。公然と休出する人は、「見てはいけないもの」「話しかけてはいけないもの」になぞらえて職場では「お化け」と呼ばれている。

 

家事育児最優先で帰宅のタイムリミットを至上命令として厳守する生活の中で、かつてのように残業することができなくなり、仕事は翌日に後回しが基本になった。しかし後回しにも限界がある。締め切りが迫りどうにも時間が間に合わなくなると、家に持ち帰って家族が寝たあとの深夜や早朝に仕事を処理せざるを得なくなる。同じ3時間の「超勤」でも、宵の口である定時の17時からスタートするのと、家事育児でエネルギーを使い切った22時からスタートするのでは疲労度に大きく差が出る。効率も落ちるし、自宅で勝手にやっている以上、いくらやっても無給なので当然モチベーションも下がる。何一ついいことはない。でも、こうでもしないと到底処理できないほど、年度末の様々な案件が同時進行で立て込みまくっている状況なのである。

 

自分の仕事のことだけでもアップアップになっているが、子供は卒園・入学を間近に控えて準備や課題も色々あるし、妻も仕事のストレスで体調やメンタルを崩しがちで大変と、我が家は今まさに内憂外患の極みにある。仕事で手一杯、と言ってみたいところだが、仕事にかまけていられるほどの余裕もないほど何もかもが切羽詰まっている。そして、ほとんど全ての問題の締切は、3月31日の年度末に向かって収束することになる。ああ、早く乗り切りたい、でもがんばらないと到底乗り切れない。果たして、生きて4月1日を迎えられるだろうか・・・。そんな不安にかき立てられながら、必死に手を動かし続ける自分の苦労を知ってか知らずか、年度末の時計の針は刻一刻と進んでいくのである。

 

(70分)