幸せの在処

大学の評価担当というのは、酷な仕事だ。大学全体の状況、情報を把握する立場にいるので、過去から現在までの事務組織の実態がつぶさに分かる。そして、計画に沿って業務が行われない組織の有言不実行っぷりや、改善どころか退行していくほどの現状維持圧力の強さ、セクショナリズムに支配され部局間の情報共有や協力が行われないことなど、自分の組織の嫌なところをこれでもかというくらいに思い知らされることになる。決められたことも達成しないで、その6年間の後始末を報告書という形で背負わされるこちらの身はたまったものではない。達成していないものを達成していると作文できるほど、自分は文才が豊かではない。本当に手詰まりで参ってしまう。今夜も24時まで居残ったが大して仕事は進まなかった。本当に、この仕事は報われない。誰にも気付かれない、誰の得にもならない仕事だ。本当は、業務の改善を促し、組織の発展につながるPDCAを回すという大事な役割があるのに、今はそんな機能は期待すべくもない。それがとにかく残念でならないし、無力感が心に影を落としている。


もっと、シンプルで、体を動かして、1日10時間以内で働ける仕事はないだろうか。もっと家で家族と一緒にいたいし、大変でもいいから手応えのある仕事をしたい。給料よりも、自分は、誰かの喜ぶ顔の見える仕事をしてみたい。自分の生み出した価値を、形として残せる仕事を。今はまだ夢の話だが、いつか実現したいと思っている。

(20分、携帯)