原発 その1

09年10月23日の記事(原文のレポートは08年11月25日記述)を、福島第1原発の事故が起こった今になって読み直してみると、原発はやはり作るべきでは無かった、作ってはならないものだったのだと思わざるを得ない。「地球温暖化を引き起こすCO2は人類最大の敵だ」みたいな主張が過去20年くらいに渡って盛んに喧伝されてきたが、それも排出権取引で一儲けしようとした欧米や、チェルノブイリ原発事故後に立場を失っていた原発メーカーが、自分たちの利益のために煽り立てたものだったのではないかと懐疑的になってしまう。植物や海洋がいくらでも吸収してくれうる二酸化炭素なんかより、生態系の中で決して分解浄化されない放射性物質のほうが遙かに危険で、人類にとってのみならず、全生命にとっても深刻な敵だったのだ。それを深く考えることなく、これまで原発を黙認してきた日本国民の罪は重い。そして、放射性物質の廃棄の問題を懸念しつつも「原発は必要悪」と思って、現状維持の発想をしていた自分もまた、原発が作った電気を使ってきた一人として、将来世代に対して罪を負っている。

(45分)