母校

先日から、高3の弟が大学の願書を郵便で取り寄せているのだが、その中に自分の母校である新大の2011年度版の大学案内が入っていたので、ちょっと読んでみた。大学全体や各学部について、知ってることや知らないこと、色々網羅的に書かれていた。読みながら「ダブルホーム制って何だ?いつ導入されたんだ?」とか、「副専攻って、ある程度GPAが良くないと取れないんじゃなかったっけ?」とか、「経済学科はあいかわらず現代経済学コースとグローバル経済コースに分かれてるのか。自分はグローバルだったけど、『グローバルは就職できない』とか散々言われてたな」とか、「就職実績で、理学部と歯学部の就職率100%って・・・。驚きを通り越して逆に怪しいんだが。それに公務員試験の申込者数と合格数ってどうやって調べたんだ?自分は大学に教えた覚えはないぞ」とか考えながら読んだ。80ページものボリュームがあり、大学周辺の飲食店・施設等の地図まで載っていて、面白かったし読み応えもあった。これはいい、この冊子は(大学業界人として)色々と参考になりそうだと思ったので、弟からもらうことにした。弟は願書が欲しいだけだったし、またどうやら新大を受けるつもりでもないようなので、特段反対の声は聞こえなかった。


学生だったときは、正直言って自分の大学のことはあまり好きではなかった。学生の自律精神に全面的に任せ、求めがない限りは何ら指導や面倒を見ないという放任主義の傾向が強い、昔ながらの大学という感じだったので、受身がちでバカ学生であった自分は「不親切で無責任な大学だ」と不信感を露わにしていた。しかし不思議なもので、卒業した今になってみると、母校のことが懐かしく思われてならない。それは未練ではなく、抒情と呼ぶべきものである。新潟日報や、文教ニュースなどで新大に関する記事を見かけるとつい読んでしまうし、それ以外にも情報を目にすると何かと気になってしまう。「ふるさとは遠きにありて思ふもの」という詩があるが、母校も離れた後になってから親しみを覚えるようになるものなのかもしれない。

(50分)