シン・職場百考(5)~無盆休み

世間一般では、お盆休みの「6連休」が今日から後半に突入したところだが、自分には、今がお盆だという感覚は微塵もない。なぜなら、自分の職場は8月も毎日営業しており、職員には一律かつ定日のお盆休みなどというものはないからだ。職員が一斉に休みにならないように、通常の公休日を分散して割り振っているから、せいぜいその公休日がたまたまお盆に重なっていたら、「なんちゃってお盆休み」として2~3日休めるに過ぎない。しかも、8月は世間が夏休みということで自分の施設も利用者が多く、施設内は非常に混み合っており、それに比例して様々なトラブルも発生している。怒濤のような忙しさの毎日で、今が何月何日かも分からないほど、てんてこ舞いだ。たとえ休日でも、心が休みになることはない。

 

上記の解釈でいうところの「なんちゃってお盆休み」は、自分の場合、昨日と今日(13日、14日)の2日間なのだが、コロナ禍が明けたにも関わらず、どこか遠くに遊びに出かけるとかいったお盆らしいことは一切していない。操法練習の報告書が7月末に完成し、やりたいことも、やらなくてはいけないことも、ひとまずなくなったので、近所の買い物以外はただただ自宅で家族と過ごしている。実家には頻繁に立ち寄っているので、お盆だからといって実家に墓参りに行くこともなければ、特に親類が集うということもない。自分にとっては、故人やご先祖様は常にそこかしこにいる存在(≒お天道様)だと認識しているという理由もある。そんなことをしていると、普通なら妻が「どこかに連れて行け」と文句を言うところだが、妻は妻で、昨日まで自分の実家に子供を連れて帰省し、豪華な料理を食べたりプールに遊びに行ったりと羽を伸ばしまくっていたので、今のところその心配はなさそうだ。そもそも、暑すぎて外に出るのは危険という事情もある。妻の帰省していた3日間のうち2日間は、自分は勤務日だった。その間にしていたことといえば、普段は18時までしかできない超勤を両日とも21時半までして、溜まった仕事をやっつけたりと忙しく働き、食事は1日目の夕食はスーパーで半額になったトンカツを食べ、2日目は半額品すら残っていなくて冷凍パスタを食べるという貧相ぶりで、贅沢三昧の妻とは対称的に全くもってお盆らしさはなかった。

 

混雑が何より嫌いな自分は、もともと「お盆休み廃止論者」なので、お盆に働くことそのものには抵抗感は特にない。大型連休も無くして、その休みを分散させるのがベストだと信じている。ただ、家族と休みが合わないという点においては、これは深刻な問題が生じかねない。職員の中では、やはりカレンダーどおり休みたい、世間一般と同じように休みたいという声が当然ながら多いので、多くの人にとって「無盆休み」というべき今の職場の働き方は、労働条件としてかなりネガティブに映ることだろう。利用者の利便性、利用者の獲得を優先して、今の営業日数を維持するか、労働条件を改善して優秀な人材を集めるために、営業日数を減らして職員がカレンダーに近い休み方をできるようにするか、そろそろきちんと考えた方がいいのではないかと思えてならない。


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(60分)