平日スキーの愉悦

平日休みを利用してスキーを楽しみ、日帰り温泉に浸かって「命の洗濯」をした今日という日の愉悦は、夜になってもなお忘れがたい余韻を残している。

 

今朝の天気は朝から雪、しかしライブカメラで見た山の景色は青空。そこには昨日からの新雪がたっぷりと積もっていた。一番重要な妻の機嫌も珍しく良好だった。こんな絶好の機会をみすみす逃す手はない、次はもうないかもしれない…そう思って急きょスキーに行くことを決意すると、子供を保育園に送ったあとに一路、山へと車を走らせた。今回の目的地は、赤倉温泉スキー場。今シーズン2回目のスキーであり、久々の一人スキーだった。このスキー場は地元だが、これまでほとんど滑ったことがなく、初めてのゲレンデを滑るワクワク感、ドキドキ感を久しぶりに楽しめた。新雪のおかげで前回のスキーと比べて雪面のコンディションが圧倒的によく、圧雪エリアも非圧雪エリアも安心して自由に滑ることができた。自分の技術が向上したように錯覚するほど、スピードコントロールが自在に可能なベストな雪質だった。晴れ間は見えつつも、常に雪が舞い、気温が低かったのも幸いだった。ノンストップで滑り続けて十分満足したので、くたくたになる前に13時にはスキー場をあとにした。割引が適用されたとはいえ、3500円したリフト券を実質2時間ほど滑っただけで使い終えるのは、少々もったいない気はした。しかし、翌日も仕事なので疲れ果てるまで滑るわけにはいかないし、子供の迎えもあるから時間の制約は絶対だ。限界効用がプラスのうちに引き上げるのは、満足度という面で最も合理的な選択だった。

 

その帰り道、日帰り温泉のかわら亭を利用した。広々とした湯船に足を伸ばして肩まで浸かる、これだけでも普段のアパート暮らしでは叶わない贅沢な時間だった。それがスキー帰りとなるとさらに一段と体にしみるように感じられて、魂が浄化されているんじゃないかというくらいの極上のひとときだった。これでもう、いつ死んでも成仏すること間違いない、とさえ感じた(あくまで、その瞬間だけは、の話だが)。トータル1時間ほど滞在して帰宅すると、刹那の夢から覚め、いつもの家事育児に追われる日常に戻ったのだった。

 

こんな贅沢な休日もまれにあるが、たいていは仕事(持ち帰りリモートワーク)か雑事をしているとあれよあれよと終わってしまうパターンが多い。それゆえに一層、今日の輝きは際立っていたともいえる。あともう一花咲かせられたら、今シーズンのスキーはもうおしまいにして悔いはない。量より質、欲を出さないのが、三十代後半を迎えた「いい大人」の流儀というものではないだろうか。


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(60分)