本屋、閉店

本屋が、また一つ姿を消した。7月12日に閉店した文教堂書店の某店舗は、小学生のころからかれこれ20年以上も利用してきた、自分にとって一番身近な本屋だった。中学時代は参考書や問題集、マンガを買うのに利用したし、高校時代はよく学校帰りに回り道して立ち寄っては、ファミ通を買ったりしていた。就職後も、実家から最寄りの書店として、頻繁に足を運んできた。本はAmazonで購入するほうが、他人のレビューも見られるから外れを引きにくいし、効率的で便利である。それでも、実際に手に取って内容を確かめてから買いたかったし、何より地元の本屋を買い支えたいという思いがあったので、この本屋の店頭で買うことを意識的にやってきた。また、店頭で未知の本を発見する偶然性、セレンディピティも非常に大切にしてきた。そうした個人的な思い入れと行動とは裏腹に、結局閉店に至ってしまったのは残念でならない。株主優待で本を安く買うメソッドも通用しなくなることになった。

 

今回閉店したのは、書店チェーンの1店舗だったが、自分が幼い頃から親しんできた地元の小さな書店も、近年倒産・閉店がが相次いでいる。人口減少が進み続ける中で、地方の小中規模の本屋は、もはや消えていく運命なのだろうか。貴重な知の拠点とも言える本屋という場を、どうすれば守っていくことができるのか。改めて考えなければいけないときに差し掛かっていると感じる。

 

(25分)