鬼頭莫宏の最新作の連載が始まったことを、昨日知った。タイトルは「隼ちゃんもとんでます」。昨日、ショッピングモール内を歩いていたら、通りすがりに書店の雑誌コーナーが視界の端に入り、ある雑誌の表紙に「おや？」と違和感を覚えた。足をとめて近づいてみたら案の定、その雑誌はイブニングで、鬼頭莫宏の新連載の絵が表紙になっていた。それが知ったきっかけだった。表紙のキャラが誰かもまだ知らないのに、絵が周辺視野に入っただけでピンときたのは、鬼頭作品の絵柄がそれだけ個性的で、かつ自分がこれまで氏の作品を散々読んできた人間だから。「ぼくらの」を読んだのが最初の出会いで、鬱作品として名高い「なるたる」も学生時代に一気読みして少なからぬ影響（あるいは被害）を受けた。「のりりん」と「なにかもちがってますか」がコミックで同時に完結したのは2015年4月。それ以来、活動が音沙汰なしで、ずっと次回作を待っていたので、やっと出たかと喜んだ。イブニングには第1話と第2話が同時掲載されていたので、どんなものかと立ち読みしてみた。まだ海のものとも山のものとも分からない、というのが率直な感想だが、氏が好きな戦闘機が主題になっているみたいなので、たぶん楽しんで描いているんじゃないかなと想像した。この作品は1話当たりのページ数が少ないようで雑誌を隔週で1話ずつ読むのはもどかしいし、この一作を読むためだけにイブニングを買うのは気が引けるし、何よりイブニングはコンビニでは置いていないことが多くて目にしづらいので、コミックが出るまで気長に待とうと思う。1年後、2年後になるかもしれないが、それでも構わない。鬼頭作品との付き合い方は、これまでも、これからも、忘れたころに遭遇するのが自分にとってはちょうどいいと思うから。
（20分）
