ポンチ絵(プレゼン資料)作成時の工夫

業務で「ポンチ絵」(大学・行政で使われる業界用語で、一般にいう「プレゼン資料」「概念図」のこと)の作成を求められたときに、自分が工夫していることを以下にまとめてみました。

 

(1)概念図の動きが下から上、左から右に流れるように配置する
「下から上」は組織の構造・階層と一致するように、「左から右」は人間の視線の動きと時系列が一致して、ぱっと見の印象で違和感が生じないように「人間工学」的に配慮するもの。ポンチ絵は、一度作成した後は図だけが一人歩きすることも多く、予想外に様々な人の目に触れることもありうる。そのため、作成者による具体的な説明がなくても、図だけで、できるだけ正しく伝わるように、かつ一目見ただけでも概要が分かるようにすることが望ましい。人間の行動の性質を踏まえた構成とすることで、理解までの所要時間の「時短」につながるのではないかと考えた。

 

(2)同じグループごとに図形の形状を統一する
(3)図形の使用を必要最低限に抑える
(4)空白スペースをあえて埋めないようにする
パワーポイントでは図形やイラスト等の追加・加工が簡単にできるので、ついついそれらをたくさん盛り込みたくなるし、空白スペースがあればそこに何か配置したくなりがちである。だが、それらがポンチ絵の「最も伝えたいこと」にあまり関係がない場合は、いたずらに読み手の視線と時間を奪うだけで、かえって理解の妨げになりかねない。そのため、図形等は本当に必要な意味のあるものに限って使用し、かつ同じ意味の記号(矢印、クラウド上のドライブ、組織、補足説明の吹き出し等)は形状を統一し、グループ化することで、理解に要する時間を短縮できるように工夫した。また、作成後に残った空白スペースにはあえて図形等は配置せず、文字を含めた情報量を必要最低限にするように注意した。

 

(5)配色はあえて「カラフルにしない」ように気をつける
ポンチ絵においては、読み手の正しい理解の助けとなるよう、色の使い分けにも「意味」を持たせる必要がある。同じ役割・機能のグループなら同じ色に統一し、全く異なる二者を説明するなら、黒と白、赤と青のように対照的な配置にするといった工夫をすると、配色を効果的に活用することができる。また、配色による意味づけは、その説明なしに理解されるように、極力シンプルなものにする必要がある。したがって、あまりにも多くの色を使用すると、一見、視覚的な見栄えはよくなるかもしれないが、色を使った「意味付け」は困難になる。ポンチ絵の理解には寄与せず、読み手の注意散漫を招くだけになる可能性が高い。さらに、ポンチ絵がモノクロ印刷された場合のことも考慮して配色を工夫すること(モノクロでも区別がつく対照色を選ぶ、背景の塗りつぶしは文字が見えづらくなるので避けるか薄い色にする等)も有効である。


(2019/7/17昼活「ポンチ絵バトル!」作成資料より転載)