発信

自分が「ネット社会」に参画していく上で、最も重要なテーマだと考え、自分に言い聞かせていること。それは、「情報の発信者であれ」ということだ。検索エンジンでキーワードを打ち込んで、該当したサイトを巡回するだけ、誰かの流した情報を鵜呑みにするだけの単なる受信者ではなく、自分で検索される情報を提供する側に回ること。それも、「腹ペコなう」のような文脈も解説も存在しないほとんど無価値なつぶやきや、そのコピーによる拡散などではなく、自分で考えて言葉を紡ぐというプロセスを経て生みだされた、書き手の息遣いが伝わってくるような臨場感と読み手にとっての利用価値がある有用な情報を発信することである。情報の発信者が増えなければ、ネット社会は構成員の知識と思考を同質化するマシンと化し、これまでネットが担ってきた、個人が独創性を発揮したり、新たな文化を生み出したりする機能が損なわれ、やがては日本社会そのものが構成員のコモディティ化によって機能停止に陥りかねないという危機感が、自分の中にはある。ネットの情報は非常に便利である。簡単に検索でき、コピーして利用することが出来る。それゆえに、単なる受信者に留まる限り、その便利さに甘んじて、個人の思考力を減退させる方向へと圧力が働き続けるのだ。このブログは自分の備忘録であり、思考のツールであると同時に、無責任に放たれた真偽も意図も分からない情報が溢れる、この広く深いネットの海において、(少なくとも開設者の意志の上においては)何らかの価値のある情報を発信する存在でありたいと思うし、このかすかな明かりをずっと灯し続けたいと思っている。このブログに書かれることは、自分がネットの匿名性を頼りに放言している「戯言」であることには当然注意して欲しいが、ただ、どんな記事であれ誰かに対する悪意や根拠のないデマの流布は一切意図していないのであり、少なくとも「善良な戯言」であることは信じてもらって構わない。今年1年も、玉石混交というより砂利の山に近いかもしれないが、自分が今の時代の一幕を文字と写真で切り取るんだというくらいの気概を持って、毎日更新を大前提に掲げ、積極的に情報発信をしていきたい。例えそれが人のためになることはほとんどないとしても、自分のためにはなることだけは絶対に間違いないのだから。

(35分)