締め2016

2016年をどうやって締めくくろう・・・、今日はこのブログ記事を書くことを念頭に、朝からずっとそんなことを考えていた。DISCASで借りたDVD2枚を視聴しているときや、洗濯物を干したり取り込んだりといった家事をしているときも、そして夕方実家に帰ってから、たまりにたまった未読の日経新聞十数日分を読みつつ紅白歌合戦を横目で見ていた間も、そのことが頭から離れなかった。それくらい自分は、この1年を総括し翌年を展望するこの記事に、重きを置くとともに、苦心している。それはもはや、毎年の恒例行事のようにもなっている。


自分にとって今年は、とにかく激動の一年だった。シンプルにそう言い切ってしまうのが、結局のところ一番しっくりくる。結婚によって起こった生活や環境の激変、様々なイベント、妻との関係が、自分に非常に大きな影響を与えたからだ。1月に新居となるアパートを借りて、2月に入籍。3月に急ごしらえで準備をして、4月に身内だけの披露宴を開いた。その間ずっと別居の週末婚だったが、5月に妻が会社を退職したことをきっかけに、7月からアパートで同居を開始。自分の生活の拠点は6年ぶりに実家からアパートに移り、新生活が本格的に始まったが、それは同時に妻との間で気持ちのすれ違いと衝突を繰り返す嵐のような日々の幕開けでもあり、6月までの業務の過労(5月は120h、6月は90hの時間外労働)のダメージも尾を引いて神経を極度に衰弱。新婚ほやほやで結婚式もまだだというのに、お互いに離婚の危機と認識するほどのシビアな局面を幾度も迎えることになる。何であんなに頻繁に小さなことで傷つけあっていたのか今ではわからないが、とにかく新潟の天気のように、目まぐるしく夫婦関係の悪化と修復を繰り返したのだった。そうこうしているうちにも、曲りなりに結婚式の準備は進行。11月にグアムで家族だけの結婚式を挙行し、妻の理想を叶える形で実現するに至る。夫婦喧嘩の火種にもなっていたこの重大イベントが無事終了したことを契機に、ここに至って夫婦関係は急速に改善。これまでの度重なる衝突を経て、お互いに相手への理解が深まるとともに、相手に対して適度な鈍感さや寛容さを身に付けたこともあり、ようやく良好な距離を保てるようになった。新婚を脱皮して成熟した大人の夫婦に近づけた、といったら早計だと笑われるだろうか。でも本当に、並みの夫婦の10年分くらいはぶつかりあった(自分にとっては加えて10年分謝った)と思うし、傷つけ合いながらも本気で相手に向かい合ったのだ。何度も諦めそうになったし、逃げたくなったし、結婚したのは正しい選択だったのかと自問自答して深く悩んだ。それでも、自分で決めた相手だから、自分が正しいと信じて進んだ道だから、妻からもう無理だと匙を投げられたときでも、自分は粘り強く妻と向き合い続けた。夫婦であり続けることを決して諦めなかった。だからこそ、自分も夫として、人間として一回り成長することができたと思うし、今こうして、夫婦関係に平穏と充足が訪れるに至ったと言えるだろう。夫婦になるというのはそれくらいの大事業であり、長い工期と根気を要する難工事なのである。結婚に至るには、お互いを好きであれば十分だが、結婚を継続するには、何があっても諦めないという「覚悟」が不可欠だ。そのことを、これから結婚しようと考えている諸氏には、くれぐれも胸に留めておいて欲しいと思う。結婚してからの道のりは長く険しく、不断に自己の変革を迫られるプロセスなのだということを。去年の自分から託された「全力投球」という言葉は、まさに今年の自分にとって必要なものだったし、自分としてはその通り愚直に頑張ったつもりだ。小手先の技でやり過ごそうと考えたら、絶対にどこかで失敗していたに違いない。


あっという間の1年ではあったが、思えば色々と中身の詰まった濃密な1年でもあった。書きたいことは多いのだが、すでにここまで書くまでがかつてないほどの難産であり、これ以上書き加えると到底まとまりそうにないため、もう書くのをやめようと思う。最後に、来年に贈る言葉を一つ。それは、「思考や行動の抜本的な転換、「ブレイクスルー」を起こせ」ということである。結婚した現在、時間もお金も思考リソースも、もはや自分の自由に使えるものではなく、限られた「資源」という状態にある中で、今まで自分が積み上げ、習慣にしてきたことを今後も同じように続けていくこと、あれもこれもまんべんなくやろうとすることは不可能である。それゆえ、仕事も、趣味も、記録も、学習も、人との交流も、目的を考え、効果や影響を見越した上で、きちんと力を入れるべき部分と、多少力を抜いていい部分を見極め、投入する資源にメリハリをつけて行動しなければいけないということは、これまでも意識してきた。しかし、もはやメリハリというような生やさしい調整では、この先行き詰まるのは目に見えている。ゆえに、そこからさらに踏み込んで、長年の慣習に思い切ってメスを入れる「断捨離」をしたり、その代わりに全く新しい方法を導入したりといった、ブレイクスルーを起こすことが、今の自分に求められていることだと思う。中身の具体的なイメージは固まっていないのだが、「メリハリではなく、ブレイクスルー」と自分に言い聞かせて、ドラスティックにダイナミックに動いていく。そうした戦略的な思考で、賢く強かに生きていくことを、来年は目標にしたい。そのスタンスは、これから迎える30代に備えるために、きっと重要な基本的素養となることだろう。

(120分)