余興

昨日の夜は、自分の所属する課の忘年会だった。そこで課内の若手3人が余興を披露したところ、参加者の驚きと笑いを誘い、好評を博した。自分はその中の一人として、ピコ太郎のコスプレをして登場し、3人でPPAPのダンスを踊った。


余興をするという話は、1つ年上の先輩の提案で、飲み会の3週間ほど前に決まった。自分にとっては、全く思いがけない提案だった。今まで職場では、余興をやったことはおろか、見たことすらなかったからだ。エンターテイナーなタイプの人間ではないので、どちらかというと気乗りしなかった。だがむしろ、やったことがないからこそチャレンジしてみないといけない、やってやろうじゃないかと、「易きに流れたくない」という気持ちも強く沸いてきて、結局「自分もやります」と名乗りを上げたのだった。参加者で打ち合わせと練習を3回ほどして、「今年話題になった人物のコスプレで登場し、PPAPを踊る」というコンセプトを固め、あとは人物のキャラクターになりきったセリフと、ダンスを各自練習した。自分もYouTubeで動画を見ながら自宅での隙間時間でダンスを練習した。コスプレ衣装は楽天で4,500円で売っていた、シャツ、パンツ、ストールの3点セットを購入した。


ダンスもセリフもそれほど練習しないまま、当日を迎えた。こんなんで大丈夫だろうかとドキドキして、会場について宴会が始まってからも落ち着かなかった。早くやってしまって気を楽にしたかったところ、幸いにも開始して1時間も経たないうちに余興がスタート。控え室で着替えた姿で会場に現れると大きな歓声が上がった。あとは仕込み通りに、大きな声で、お客さん全体にきちんと視線を配ることを意識しながら、演技を披露した。3人で仕込んだネタはどころどころでスベりもしたが、それもまた一興というもので、全体的には非常にウケていたし、5分ほどでさっと終えたので、その歯切れのよさもプラスの印象を残すのに貢献したようだった。余興が終わった後はすぐに元のスーツに着替えて、お酌をしに回った。上司たちから「よくやってくれた」と評価してもらいながら、すっかり楽な気持ちになってお酒を飲むことができた。顔がピコ太郎に似ていると何人かに言われたのは少々微妙なところではあったが、これだけ場を盛り上げることができ、楽しんでもらえたのでやってよかったなと思った。


うちは非常にカタい職場なので、今後も果たしてこういうことがあるかは分からない。しかし、一度やってみたことで、次はもっと思い切りよく、より前向きな気持ちで取り組めそうな気がしている。自分の中の殻を一つ破れた気がした、貴重な経験だった。



↑衣装は3日後にヤフオクに出品し、購入価格の半額ほどで売れた。

(45分)