共通項

今日は午後から消防の教育訓練があり、近所のグラウンドで13時から16時すぎまでそれに参加した。東京から新幹線と電車を乗り継ぎ、帰宅したのは12時。昼食のカップ麺を大急ぎですすって制服に着替えると、30分も経たずに出かけた。12時30分にポンプ小屋集合となっていたからだ。しかし行ってみたら、うちの集落からの参加者は、自分含めわずか3人。訓練自体も、部隊訓練という行進の練習をしただけで、3時間もかけるほどの中身はなく、ポンプ操法の練習をしていたグループとの時間調整や休憩で待機していた時間が半分ほどを占めるなど、晴天の日曜日の午後を割くにはあまりに惜しいような、だらっとした内容だった。これくらいの内容なら休憩なしで1時間半みっちりやって終わりにしたほうがずっといい。タバコを吸っている人たちからは不満が出るだろうが、そんなのは重要じゃない。こんな非効率なことをしているから、団員の成り手がいなくなるのだ。そうした心理を理解していない幹部の人たちに、少しばかり不満を抱いた。


しかし、空き時間が多かったおかげで、たまたま一緒になった中学時代の友人と話をすることが出来た。休憩中に近くにいたので、「久しぶりー」という感じで軽く挨拶したのがきっかけだった。普段全く接点がないので、最初はぽつぽつと途切れ途切れな会話だったが、昔からお互いに好きだったドラクエバイオハザードなどのゲームの話から徐々にに会話が続くようになり、最終的にはアニメや初音ミクのことなどオタ寄りのネタで大いに盛り上がった。さすがにニートをしているだけあり、そちらの方面の最新情報には詳しいようだったが、自分も負けじと雪ミクに会いにさっぽろ雪まつりまで行った行動力をアピールしておいた。最も意外だったのは、お互いにクレーンゲームフリークであるという共通項があったことだろう。彼はミクのフィギュアに9000円注ぎ込んだこともあるといっていた。自分以上に相当なジャンキーっぷりで、もはや呆れを通り越してあっぱれというべき話だが、その気持ちは自分にもよく分かる。色々と趣味が被っていることがわかって、楽しい話が尽きなかった。今度はぜひ互いの家に遊びに行こうと約束して、今日は別れることになった。このことだけでも、今日訓練に参加した意味はあったと感じている。こんなに近所にオタ話が出来る奴がいるとは思ってもみなかった。胸襟を開いてこういう話を出来る相手というのは本当に貴重だ。彼が欲しがっているプライズ景品のフィギュアに似たものを自分が持っていることもわかり、プレゼントすることになったので、そう遠からずまた会うことになるだろう。こうして未来に一つ、小さな楽しみが出来たのだった。

(45分、携帯)