消防点検

今日は、市の消防点検という行事があった。市内各地域から選抜・選出された消防団のチームが小型ポンプ操法操法)等の技術を競う大会(消防団の部長の言葉を借りれば「祭り」)であり、自分の地域の消防団もこの舞台に向けて、3月中旬からこれまで3ヶ月に渡って操法の練習を重ねてきた。その練習回数と言ったら大変なもので、朝練を中心に50回以上も集まったことから、トータルの練習時間が100時間を越えているのは確実だろう。練習開始時刻は次第に早まり、最初は朝5時に起きればよかったものが、最終的には4時半に起きなければいけなくなったほどだった。それでいて、仕事も20時、21時までやるという有り様だったので、身体的には過去最もきつい日々が続いた。疲労がたたって集中力が落ちたせいか、5月初旬には自転車事故も起こし、それがさらに自分の首を絞めることにもつながった。そんな状況を何とか乗り越えて、辛くも今日という日を迎えたのだった。


結果的に、自分の地域の消防団のチームは、これまでやった中でもベストに近い操法が出来た。「操作始め」の号令をかけてから、水流を飛ばして火点を倒すまでのタイムは54秒で、目立ったミスなく手順を踏んでいたことを考えれば、上出来と言えた。これまでの成果がきちんと発揮された、集大成と言うべき演技を見ることができて、サポートメンバーとして、主に1番員の選手の練習を支えてきた自分にとっても、今まで投じてきた労力が報われる思いだった。大会終了後の打ち上げでも、誰もがとてもいい顔をしていたし、同じ目標に向けて頑張ってきた者同士で大いに盛り上がったのだった。入賞や県大会への出場は果たせなかったが、団員同士の結束は間違いなく強まったと感じている。


こうして、長きに渡った消防漬けの日々に、ようやく終止符が打たれた。燃え尽きたというよりは、解放されたという感覚に近い。長きの朝練で体に染みついた、目覚まし時計をかけなくても朝4時半に勝手に目が覚めてしまう癖は、しばらく続くことだろう。さて、自分の思考の対象は今、消防の練習がなくなってぽっかりと空いた時間を、どう使うべきかという問題に向いている。消防に時間を取られ過ぎたことで、本来あってはならないことなのだが、実際問題、仕事も生活もズタボロになっている。まずは仕事が大事じゃないかというのが真っ先に考えることだ。だが事故後、ダブルワークの負荷に身が持たず、この1カ月半ほど日中の集中力を切らしていたことを考えれば、この時間を仕事に充てるのは無理がある。また、早起きして勉強するというのも理想ではある。しかし、この3ヶ月は慢性的な睡眠不足だったので、睡眠時間を削って勉強というのは日中の眠気を誘発することになり、これも仕事的にNGだ。結局は、4、5時間台が続いていた睡眠時間を増やすというのが、自分の身体的負荷の軽減、QOLの向上という観点で、一番いいのではないか。夜は必要十分な時間きちんと寝て、その分日中はしっかり集中して働くべきだろう。そのほうが、まだ一部に痛みの残る体の回復も進むはずだ。そういうわけで、結論としては、今後は6時間台の睡眠時間を確保することとし、仕事の時間をこれ以上増やさずに、質を上げたいと思う。そして、ブログを書いて自省する時間も、取り戻したい。考えて、書くという営みの中にこそ、自分の最も落ち着ける居場所があるのだから。

(75分)