習慣

習慣が人を作る、といわれる。それを裏返せば、習慣が変わってしまったとき、その人の行動原理、考え方といったものも、大きな影響を受けることになるということになるといえるのではなかろうか。そうだとすれば、自分にとって大切な習慣であった、他の人より早く出勤すること、行動や思考の記録をつけること、新聞を読むこと、スポーツをすることといった行動が、仕事と消防団活動のダブルワークによる時間的制約や、右手の骨折による動作の制約等によって封じられてしまっていたこの2ヶ月ほどの間に、自分が変わってしまったとしても、不思議なことではない。頭、体、心の歯車がそれぞれバラバラの向きに回っていて全然噛みあわず、物事がうまくいかない現状も、習慣が変わってしまって、自分の土台が揺らいだからだと考えれば、なるほど納得がいく。自分を取り戻したいなら、自分が基本的な習慣を定めた一覧表である「基本行動チェックリスト」に挙げられた行動を多少強引にでも実践すればよい。それが出来ないのなら、現状の厳しい時間的制約の中に差し込んでも無理のない新しい習慣を作るべく、チェックリストを更新すべきだろう。習慣というのは、続けてこそ意味を持つものである。あるべき自分の姿というものを描いた上で、不要なものを削ぎ落していき、これだけは絶対譲れないという部分を、自分を形作る習慣として位置づけること。そして、それを欠かすことなく着実に実践していくこと。自己同一性に未だかつてない大きな亀裂が広がっている今、その姿勢をどれだけ思考の上位に持って行き、実行に移せるかということが、強く問われている。

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