シルバーウィーク:2015/9/19−23

2009年以来となる秋の大型連休、いわゆる「シルバーウィーク」が今日で終わった。この5連休をどのように過ごしたか、振り返ってみたい。


<9/19(土)>

連休初日。曇り時々晴れ、一時雨といった感じの少し不安定な天気だった。この日は、富山から友人のY氏が泊りがけで遊びに来ることになっていた。元々は5月の大型連休に会うことを予定していたのだが、会う前日に自分が自転車事故を起こして大けがをし、それどころではなくなってしまったため、一旦は流れてしまった。それが4ヶ月経ってようやく実現したのである。自分は朝から自室の片付けに追われつつ、うきうきした気分でいた。


12時半、定番の待ち合わせ場所となっている直江津駅南口のロータリーで待っていると、自分のアクセラの後ろに黒い車が停車した。そして車から降りてきたY氏と、黒部ダムに行って以来、1年2ヶ月ぶりに再会した。彼の車は駅の駐車場に置き、ここからは自分の車に彼を乗せてアクセラ上越を案内することにした。彼と同じく富山に住むK氏も来てくれないかと期待していたのだが、彼曰く、K氏は職場絡みのとある事情で今とても落ち込んでいるらしく、今回は遠慮したとのことだった。その詳細を聴いて、自分も驚くとともに、K氏に同情するほかなかった。その一方で、坂本真綾ライブが12月に新潟で開催されるという情報を彼から得て、ファンとしてにわかに興奮したりもした。ライブチケットの一般販売が10月31日からなので、何としても手に入れなければと一人鼻息を荒くしたのだった。


そんな話をしつつ、まず訪れたのは日本そばの店。ここで昼食を摂ることにした。頼んだのは二人とも「海老天ざるそば」。地元産のそば粉を使ったそばと、さくさくでアツアツの天ぷらがとても美味しかった。自分は並盛のそばでちょうどよかったが、Y氏は中盛(並の2倍)を頼んだので、かなり満腹になったようだ。



次に、地元の有名なワイナリー「岩の原葡萄園」に行った。ここでワインの無料試飲(グラスを200円で借りるが、デポジットなので後で返金される)してもらった。自分は運転手なので当然飲まなかったが、「ももワイン」なる変わり種のワインを見つけたので、おみやげに購入した。Y氏はここのワインを気に入ってくれたようで、無料試飲コーナーを3周ほどして、赤、白、ロゼ等のワインを飲み比べしていたほか、300円払って有料のワインも試飲していた。今年の日本ワインコンクールで金賞をとったそのワインの味の感想を彼に訊いてみたところ、「今までに飲んだことのない深い味わいがある。でも飲みやすい」とのことだった。結構ガブガブ飲んでいたので、大丈夫かなと心配していたら、しばらくして案の定、彼の顔が真っ赤になった。彼は飲むとすぐ顔に出るタイプなのである。試飲後は、石蔵や雪室をさくっと見学。それから車に戻った。次の目的地を決めるため、葡萄園に置いてあった上越妙高地域の観光パンフレットを見ながら車内で相談。Y氏が無料の野天風呂に興味を示したので、そこへ向かうことにした。今回の企画は自分が担当していたが、内容は全然決めていなくて、こんな感じでその場その場で行き先を決めて行動に移していった。行き当たりばったりではあったが、計画を立てた場合と違って時間の制約をあまり気にしなくてよかったし、臨機応変に対応出来たので、これが結果的にはうまくいった。







途中で地元の有名なジェラート屋に立ち寄って、「ほうじ茶」などのユニークなジェラートを味わい、コンビニでタオルを調達して、妙高市の燕温泉に到着したのは、15時半だった。ここで、二つの野天風呂、「黄金の湯」と「河原の湯」をこの順番にはしごしてみた。前者は風呂が男女分かれており、水温は高め、後者は混浴で水温は低め。いずれも無料で入浴することが出来るが、風呂を隠すような十分な囲いはなく、洗い場もないので、利用するには注意が必要だ。また利用者は中高年の登山客が多いので、混浴と聞いて下心を抱く人にはおすすめしない。ここは純粋に、野天風呂ならではの開放感を楽しむべきだろう。標高が1100mほどの高所にあることから、気温が17度ほどで少し肌寒かったが、湯上りにはむしろちょうどいいくらいだった。Y氏によれば、富山の朝日町にある小川温泉にもこうした野天風呂があるらしい。


体がすっかり湯の花まみれになりつつ、車に戻ったのは16時半。そろそろ日が傾き始めたので、観光はここまで。と言いつつ、続いて向かったのも、またしても入浴施設の「かわら亭」だった。元々かわら亭に行くことは既定路線だったところ、その前に野天風呂行きを入れ込んだのだから、Y氏がいかに温泉好きかということがお分かりいただけるだろう。そこに向かう途中で、電話がかかってきて、Bluetoothでケータイとリンクしているカーナビに、電話番号が表示された。誰からの着信か分からないままハンズフリー通話で電話に出ると、聴こえてきたのはSS氏の声だった。これから飛び入り参加してよいかと聞かれたので、二つ返事でもちろんと答えた。今回の企画は、彼にも声をかけていて、当日都合が付けば参加すると言われていたのだった。ただ、ハンズフリーの通信状況がよくなかったらしく、こちらの声がうまく伝わっていなかったようだ。電話を一旦切って、入浴施設に着いてからやりとりすることにした。かわら亭に到着したのは17時過ぎ。風呂やサウナで汗を流してさっぱりした。この後は居酒屋に行くつもりだったが、せっかく体をきれいにしたのに、タバコの煙で体が汚れるのは気分が悪いなと思ってあまり気が進まなくなった。そこで、ふと思いついた。この施設の食堂で飲み会をすればいいじゃないか、と。この方針転換をY氏に伝えてから、SS氏と再び連絡を取り、施設に直接来てくれるよう伝えた。「新潟から駆け付ける友人と入浴施設で集合して、そこで一緒に飲む」なんて奇抜なアイデアだったが、二人とも納得してくれたのでよかった。予定到着時刻は19時ころだったので、先にY氏と飲み始めて彼の到着を待つことにした。19時10分、SS氏が到着。施設の玄関で出迎えると、そのまま食堂に案内。そこでY氏と対面し、参加者が3人に増えたところで、改めて乾杯をして正式に飲み会をスタートした。ここの食堂は券売機方式で、券をカウンターに持って行くと料理を注文できる仕組みである。そして番号を呼ばれたら料理を取りに行く、セルフサービスとなっている。連休中だったが、食堂は空いており、料理もお酒もすぐに出てきて、飲むには都合がよかった。食堂なので、料理のレベルはそこそこだし、期待していた刺身盛り合わせもあいにく品切れだったが、一人3000円かからずに飲めたのでリーズナブルでよかった。何より、風呂上がりにそのまま生ビールが飲めたのが贅沢の極みだった。これで気の合う友人と一緒なのだから、全く非の打ち所なんてなかった。3人になってから、それまで割と静かだった空気が、瞬く間ににぎやかになった。特にY氏とSS氏は学生時代に同じ軽音サークルに所属していたことから、音楽のマニアックな話でも盛り上がっていた。自分には分からないバンド名が飛び交っていたが、Y氏がオススメしてくれた「BABYMETAL」というダンスユニットには自分も少し興味が沸いた。また、SS氏から「今度結婚することになった」という重大発表があり、来月結婚するY氏と併せて、めでたいことだと喜んだ。将来が未定の自分に対して、二人から好きな芸能人(有名人)を尋ねられたので、志田未来谷村美月、土屋太鳳、仲間由紀恵・・・と答えたところ、「正統派美人が好きだと分かった」「ブレてない」との評価を受けた。そんな話をしつつ、20時半近くになったところで、一次会は終了。SS氏とともに再び風呂に入り、上がって一休みしていると、予め手配していた運転代行業者から、施設の前に到着したとの電話が入った。思いほか段取りがうまくいってラッキーだった。21時過ぎに外に出ると、代行業者にアクセラを運転してもらい、かわら亭を後にした。



帰りがけにコンビニによって酒等を買い出しして、帰宅すると、自分の部屋で二次会に突入した。自分が高校の友人から借りた新生フジファブリックの武道館ライブDVDをテレビで見ながら、フジの話をしたり、歌ったり、と酒を飲み交わしつつ楽しい夜を過ごした。昼間に買ったももワインも、3人で早速空にした。そして0時半過ぎに消灯。狭い部屋だったので、二人には同じ布団で仲良く眠ってもらった。こうして、長い1日は終わった。



<9/20(日)>

連休2日目。ここからは超駆け足で書くことにする。


快晴が広がったこの日は朝6時半から、3人で「いたストSP」をプレイした。大学時代に熱中した思い出のゲームで、我が家に集まった時には決まってこれを遊ぶことにしている。前夜には「朝5時に起きてやろう」と言っていたが、起きられなかったのでこの時間になった。選択したのは目標額25000Gの飛空挺ステージ。2時間くらいで終わらせたかったのだが、空き地のほとんどに神殿が建つというバランスブレーカーな事態になったことから、予想以上の苦戦を強いられ、長期戦になった。お互いが神殿で暴利をむさぼり、報復に5倍買いするという体力の削り合いを続けたため、なかなか資産が増えなかったのである。しかし、最終盤で、SS氏が目標額に到達し、自分も続いて目標額に到達。どちらか先に銀行城に着いた方が優勝という展開になったところで、ドラマが起きた。銀行城の2マス手前で二人が並んだのである。先にダイスを振るのはSS氏。1さえ出さなければ彼が優勝だ。それはもう明らかに、彼が勝つと思われた。だが、サイコロを振って出た目は、まさかの1。そして、自分が振って出た目は、3。サイコロの女神は自分にほほ笑んだこの瞬間、自分の優勝が決まった。通算4時間、計96ターンに及ぶ長い戦いは、こうして劇的な結末で幕を閉じた。最後まで何が起こるか分からない、いたストというゲームの奥深さ、みんなで一緒にゲームをすることの純粋な楽しさを改めて感じ、思わず「いやーゲームっていいものですね」なんて言葉が口からこぼれた。勝負の結果はともかく、その気持ちはみな同じだったろう。3人とも、晴れやかな笑顔を浮かべていた。






ゲームを終えて、11時前に3人で家を出た。SS氏が乗ってきた車を止めた駐車場まで彼を送って、彼にはそこで別れを告げた。Y氏とは、直江津駅まで一緒に行って、彼の車を回収。前日に食べそこなった海の幸を求めて、車2台で「うみてらす名立」に向かった。ここで、昼食にすることにした。Y氏は「まぐろ丼」自分は「海鮮丼」を食べ、舌鼓を打った。そして13時過ぎに、駐車場でY氏と別れ、解散した。実に楽しく充実した2日間だったと思う。2人とは、来月にまたY氏の結婚式で会うことになる。その安心感から、別れ際がさっぱりしていたのもよかった。


<9/21(月)>

連休3日目。曇りのち晴れ。この日は長野県の上田まで新幹線で行って、そこで1日過ごした。上田市立美術館で「生誕80周年記念 藤子・F・不二雄展」を観て、子どものころに親しんだドラえもんオバQ等の世界観に触れて懐かしんだり、アリオ上田という商業施設で開催された「しょこたん」こと中川翔子のミニライブ(勇者・しょこたんのレベルアップツアー)を観て楽しんだり(テレビと同じくサービス精神旺盛で、曲ごとにMCを織り交ぜつつ5曲も歌ってくれた。本人を生で見られて感動した)、ゲーセンを2つはしごして、ダンボーグッズを2つゲットしたりした。長野の知人に車で案内してもらったのだが、時間の制約で上田城に行くことは出来なかった。真田家の居城を一度は見てみたいので、都合が着くときに改めて行ってみたいと思う。










<9/22(火)>

連休4日目。快晴。


前日まで3日間遊びっぱなしだったので、この日は連休から円滑に復帰するためのリハビリも兼ねて職場へ。資料を読んだり、整理したりする作業を4時間ほどやった。それ以外は、自宅で過ごした。


<9/23(水)>

連休最終日。この日も基本的には家で過ごした。そのうちの半分の時間は、この記事を書く作業に投じられた。Y氏やSS氏が読んでくれているし、最近更新していないことに対して叱咤激励を受けたので、頑張って書かねばと思って重い腰を上げたのだが、如何せん書きたいことが多くて全然終わらなかったので、途中からかなり端折ってしまった。昔書いた「短文至高論」の理想からは程遠いこの実状が、自分をブログから遠ざけている最大の要因だと思う。連休最終日に家にこもっているだけでは不健康だと思い、15時過ぎに家を飛び出して、自転車で走りだした。目的地は市内の吉川区にある温泉施設、「ゆったりの郷」。先月、謙信公祭の関連イベントに出場した際に、参加賞として無料入浴券をもらったことから、券を消費するために行くことにしたのだった。日没まであまり時間がなかったので、往路、復路とも、全力でペダルを回し、Av30km/hを目標に休憩なしで片道24kmの平坦路を走り通した。その結果は、以下のとおり。

【往路】走行距離  24.05km
    走行時間  50:31
    実走行時間 50:00
    平均時速  28.8km/h(走行距離/実走行時間)
【復路】走行距離  24.02km
    走行時間  47:09
    実走行時間 46:12
    平均時速  31.2km/h(走行距離/実走行時間)

復路のほうが確実に疲労していたし、ごくわずかに上り坂という悪条件でもあったが、家まで早く帰りたいという気持ちが強かったこともあり、スコアは伸びた。1時間程度であれば、平地で巡航速度30km/hを出せることが分かったので、自分の自信にもつながった。ちなみに、温泉施設では20分ほどでさくっと風呂に入った。どうせ帰宅したらまた入るのだし、長風呂をして疲れてしまうと5月の転倒事故の二の舞になりかねないという危惧もあったためだ。ただ、小さいながらも露天風呂を含む4つの風呂があったし、サウナもあったので、割といい感じの入浴施設だったと思う。もちろん、帰宅後に再び風呂に入ったのは言うまでもない。この連休はつくづく温泉三昧であった。



こうして、自分のシルバーウィークは終わった。怪我で棒に振ったゴールデンウィークに比べると、とても充実していたと感じる。とはいえ、この連休のせいで仕事のスケジュールがピンチなのもまた事実。明日はいつもより気合いを入れて、一日テキパキと仕事を進めていきたいと思っている。

(250分)