和歌

台風17号の通過で、外はさっきまで暴風雨が吹き荒れていた。明日の出勤に備えて早く寝なければならないが、少しだけ書いておきたい。


今日は、昼前から近所の温泉施設に赴き、そこで夕方まで半日過ごした。昨日の午後、COD MW3のマルチプレイに明け暮れ、しかも普段の「チームデスマッチ(紅白戦)」ではなく「フリーフォーオール(自分以外全員敵)」という一番神経に負担をかけストレスの溜まるモードをずっとやっていたことで極度に消耗した心身を癒すのと、読書や書きものをするために喫茶店代わりに使うのが目的だった。昼食、入浴を済ませて、休憩室で週刊ダイヤモンドを読みながら考え事をしてみた。家にいると色々余計な要素があって集中できないが、ここには本と手帳しか持ってきていなかったので、集中できたし、ごちゃごちゃしていた頭の中が少しだけ整理できた気がした。ただ、いくらお客が少ないといっても、場所が場所なだけに、大いびきをかいて昼寝しているお客や、声を上げて元気にはしゃぎまわるちびっこがいて、集中が削がれることも多々あった。そもそもこういう目的で来る場所ではないのだから当然だ。ちょうど台風の接近で雨が激しくなりそうでもあったことから、予定を切り上げて帰ることにした。図書館でも、喫茶店でもいいが、家以外の場所で、なるべくお金をかけずに一人で長時間勉強なり読書なりが出来る場所というのはどこかにないものか・・・と、近頃は探し求めているところだ。とにかく、家ではそうしたことは出来ないのである。


それはさておき、一昨日から、小倉百人一首を勉強し始めた。1日3首ずつ覚えていき、約1カ月で全100首を暗記しようという試みだ。始めたのには特に理由はない。部屋の本棚にあった高校時代のテキストをたまたま手に取って、ふと思い立ったことに過ぎない。今のところ9首目までは覚えたが、ここから先が覚えられるかは全く自信がない。ただ、代表的な短歌や俳句を覚えておくことは日本人として最低限の教養だろうという思いがある(帰国後「日本(人)らしさ」について意識することが多くなった)ので、少し努力してみるつもりだ。単なる言葉の暗記ではなく、歌に込められた意図や趣向について、歌い手の経歴等にもきちんとした知識を身につけたいと考えている。これで短歌の基礎知識をつけて、死の間際にすらりと「辞世の句」でも詠めたら上出来だ。イキガミじゃないが、「あと1日で死ぬとしたら何をするか」なんてことを考えるのも、自分の価値観や性格について明確化し理解する上で意外と効果的で実用的なことだ。スマホ+ネットで情報が容易に取得できるようになったことで、人間の脳がバカになりつつあるという言説が最近目につくが、それに抗うためには主体的に物事を考える習慣と、普遍的に価値のある文化的素養を身につけることが何より重要だ。デジタル化と情報化の波に流されて、自己の中身までがコモディティ化(並列化そして陳腐化)してしまわないようにするためにも、世間で全く流行していないことや、一朝一夕では効果の出ない地道なことに、これからどんどん挑戦していきたいものである。


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