電力比較'10〜'12

約半年ぶりに東北電力の「電気ご使用実績照会サービス」を利用し、ネットで家の電気代と電気使用量を集計してみたら、「夏季節電比較ページ」なる機能が追加されていた。これは、今年の7〜9月の電気使用量を、過去2年間の同時期のものと比較出来るよう、今年、昨年、一昨年のグラフを表示するというもの。照会サービスに登録していれば、新たな登録なしに利用できる。最初は「へー」と思ったくらいで関心が薄かったが、よくよく説明を読んでみたところ「節電目標を設定した方には、節電グッズ(冷蔵庫カーテン)を参加賞として差し上げます。」と書いてあったので、俄然興味が沸いた。先着1万名でプレゼントしてくれるとは太っ腹だ。もしかしたら、今からでも間に合うかもしれない。そう思って、リストの項目にチェックする形で節電目標を設定してみたところ、「-4%」となった。昨年からすでに節電の取り組みは実践していたので、新たな削減余地は小さかった。後付けの目標だった訳だが、実際の電気使用量はどうだったかというと、下記のとおりである。



※グラフ中の7〜9月は、実際に電気を使った月としては6〜8月となる。


ということで、7月、9月は目標達成、8月は未達成となった。8月は(実際には7月に使った電気となるのだが)自室のエアコンを多く使ってしまったのが増えてしまった原因だろう。昨年は夏場に1回だけしか自室のエアコンを使わなかったのだが、今年は窓の網戸が破けた関係で窓を開け放しておくことが出来なかったし、去年と違って扇風機を使わなかったため、ついエアコンを使ってしまった。節電意識の緩みもあったと思う。3カ月の平均では、昨年比-4.4%となったため、全体としては辛うじて目標を達成できた。一昨年比は-28.3%となるが、2010年は30年に一度の記録的猛暑だったので、比較対象としては適切ではない。


火力発電用の燃料調達費の増加で電力各社が大赤字を計上し、東北電力東京電力から電気を融通してもらって何とか停電を免れている有り様であり、電力事情は相変わらず危機的な状況である。9月19日付日経新聞朝刊によると、11年度に電力10社が排出した二酸化炭素は合計4億900万トンと、10年度比で9200万トン、率にして29%も増えたということだ。これだけ火力依存を高めていれば、至極当然な結果である。昨年以降、政府はもちろんだが、民間企業も「温暖化防止」という類の言葉をめっきり使わなくなった。京都議定書の達成が不可能になったことが話題にすらならないのは一体どうしたことか。本当にCO2の削減が地球的課題なのだったら、ニュースで上記の事実をもっと報道するはずだ。そうしないのは、所詮「その程度」の問題でしかなかったということで、エコビジネスが説得力を持たなくなった時点で、もはや「CO2」の利用価値はなくなったということである。原発の再稼働も出来ず、火力発電でCO2排出量は爆増、国民は痛みを強いられるのを嫌うが、発電用の化石燃料の輸入のために莫大な国富が海外に流出していることで、すでに多大な経済損失を被ってしまっている。「何を一番重視するか、何が一番重要か」という軸、「プリンシプル」がどこにも誰にもなく、ましてやコンセンサスを得られないから、何も決められない。このまま原発の再稼働にも、火力発電の抑制にも、24時間営業をやめるといった社会構造の改革にも動けないなら、自分はただひたすら節電にまい進し、国富の流出を食い止めることを目指し続けほかない。

(80分)