ギリギリ

自分は普段、燃料メーターの目盛が0になったときに車の給油をするようにしている。出来るだけ給油回数を少なくするため、燃料の残量が残り少なくなった段階で満タンにするという形を取っているのである。そのため、車で遠出することがない限りは、給油頻度はおおむね月1回となる。目盛が残り1つになるとエンプティランプが点灯し、0になると液晶画面(MID)の「走行可能距離」も0kmになるのだが、実際にはこの時点でもタンクには12、3L程度の燃料が残っている。ガソリンタンクの容量は55Lで、通常の給油量は40〜45Lの範囲であることから、差し引きそれくらいの数値になると考えられるのである。従って、燃費がかなり悪い条件だとしても、「0km」になってから100km以上は走れる計算になる。これまでの1回の最大給油量は46.6Lだったのだが、45Lの大台を超える量の給油をするたびに、「まだもう少し走れたのではないか」という思いがあった。そのため、今回、この最大給油量の記録更新を狙って、思いきったチャレンジをしてみた。それは「走行可能距離が0kmになってから100km走った時点で給油する」というもの。ガス欠手前のギリギリまで給油しないで粘るという、考えてみれば無謀で危険な挑戦だった。前回の給油以降に走った距離はトリップメーターBで計測している(Aでは1日の走行距離を計測している)のだが、これが600kmになったときに走行可能距離が0kmになったため、給油のタイミングは700kmを超えた時点と決まった。今日の運転中にこの目標距離を超過したのだが、家の近所のいつものスタンドまで更に粘って走り続け、705.4kmに達したところでようやく給油した。その結果として、給油量は50.85Lを記録(満タン法で計測した実燃費は13.8km/L)。過去の最大量を4Lも上回る「新記録」で、目標としていた50Lの大台を突破することが出来た。さぞかし達成感があるものと予想していたのだが、実際この数値をその場で確認した時に感じたのは、燃料が残り3、4Lしかない状態まで走り続けたことへの恐怖心だった。タンク容量が55Lというのはあくまでカタログ値であって、満タンにしても本当にそれだけの量が入っているという保証はないし、途中で揮発してしまう分も考えれば、残量はもっと少なかったかもしれなかったのだ。あと3、40kmも走っていたらノッキングを起こした末に停止してしまっていたに違いない。走りながらも、ずっと「ここでガス欠したらどうしようか」ということを考え続けていたのだが、実際その寸前だったことを確かめたことで、自分が交通社会の安全を脅かしかねない、いかに危険なことをしていたかを思い知ったのだった。今回の記録の達成をもって、給油の限界へのチャレンジには終止符を打ち、今後は走行可能距離が0になったらすみやかに給油する本来の方針の運用を徹底していくこととしたい。

(55分)