孤高の人・完

坂本眞一作画の漫画「孤高の人」が、17巻で完結した。この漫画は昨年3月から読んでいたが、主人公が過酷な状況を乗り越えながら精神的な成長を遂げていく姿に心を打たれ、圧倒的な緻密さを誇る「映像表現」に度肝を抜かれたことから、新刊が出て物語を読み進めるに連れ、次第に自分にとって大切な、特別な作品になっていった。それゆえ、クライマックスに向けて自分のテンションを高め、最終巻をより深く味わうため、1〜16巻を再読する必要があると感じていたので、昨日今日の土日2日間をほとんど丸々使って、最終巻を含めた全巻をじっくり読んでみた。最終巻は何日か前に書店で購入していたのだが、今日までは読まずおいてあった。今日は雨で、寒い1日だったが、一気に読んだことで作品の世界に没頭することが出来たし、ラストシーンには思わず涙がこぼれるほどの大きな感動が待っていた。とても充実した1日だったと思っている。


究極の孤独の中で生き、孤独を求め山を愛した文太郎。彼が、ずっと目指し続けたK2東壁を登攀することが出来たのか、生きて家族の元に帰ることが出来たのか、それはぜひ読んで確かめてみて欲しい。とにかく、素晴らしいことだけは保証出来る。


こんな素晴らしい漫画を読むことが出来て、つくづく自分は果報者だなと思う。自室の本棚に一生取っておきたい、唯一無二にして至高の登山漫画。これからも、また何度でも読み直し、勇気と希望をもらいたいと思う。

(45分)