弱虫ペダル

今年の「サイクルモードインターナショナル」の公式ガイドブックの表紙を飾り、10月からアニメが始まるなど、今熱い注目を浴びている自転車マンガ、「弱虫ペダル」。サイクルモードに行ってから気になり、TSUTAYA DISCASで既刊全巻をレンタルしたものを、返却期限間際のこの土日に27巻まで20冊近く一気に読みきった。「努力、友情、勝利」を地で行く王道的なスポ根マンガ(少年チャンピオン連載)ではあるが、高校の自転車部、チームレースというテーマを扱っているところが新鮮で、特にレースは自分があまり知らない世界なだけに、先がついつい気になって、読みだしたら止まらなくなってしまった。これは面白いマンガだ。特筆すべきは、たった3日間の出来事を描いたインターハイ編が9巻から27巻まで19冊にも渡って展開するところだろう。友人からも長い長いと聞いてはいたが、本当に長くてびっくりした。極論をすれば自転車でひたすら抜きつ抜かれつの追いかけっこをしているだけ(失礼)なのだが、次々と登場する個性的すぎるキャラクターたちが熱い戦いを繰り広げるものだから、非常に濃密な内容で実に読みごたえがあった。レースというのは単純にスピードとスタミナだけが全てではなく、色んな駆け引きがあるのだということを、恥ずかしながらこの作品によって知ることになった。インターハイが終わったら完結するのではないかとさえ思うほどストーリーの盛り上がりが最高潮に達したのだが、どうやらここからまだまだ先に続くらしい。ストーリー本編が面白いのはもちろんだが、作者の取材レポートや自転車についてのうんちくのページもあって、それもこのマンガの見どころの一つだ。これを読んでツール・ド・フランスについてざっくりとしたイメージを掴むことが出来たし、しまなみ海道尾道に行ってみたいなぁという気持ちが否が応にも高まった。そして何より、このマンガを読んだことで、ロードバイクに乗りたいという思いがいよいよ抑えられなくなった。今乗っているクロスバイクももちろん楽しいのだが、ロードというのは同じ自転車であっても、それとはまた別の次元の乗り物であるようだ。トップチューブホリゾンタルなクロモリフレームで、国内のブランドで、コンポはアルテグラで・・・というように、自分の希望を少しずつ固めているのが現在の状況である。来春から自分の自転車ライフの新たな幕が開くであろうことを考えると、ワクワクして仕方がない。

(40分)