ラーメン屋の煙

今夜の夕飯は、ラーメン屋に寄ってラーメンを食べた。普段は家に帰って食べるが、たまに外食したくなるので、そういうときは朝のうちに家族に「夕飯はいらないから」と断った上で店に立ち寄ることにしている。食べたのはみそラーメン。通勤途上にあるものの初めて寄った店だったのだが、野菜たっぷりでスープはあっさりしていて結構おいしかった。ギョーザもなかなかよかった。


ところで、自分はラーメンは好きなのだが、ラーメン屋という空間はあまり好きではない。ラーメン屋は分煙・禁煙が実施されていない店舗が多いからだ。特に、個人経営の小さい店だと、ほとんどが喫煙は自由放任状態である。そういう店はお客の喫煙率も高い。これは自分にとって非常に厳しいものがある。正直言って、食事をしている最中に周りで喫煙されると、食べ物の味が損なわれるし、それ以上に著しく自分の気分が害される。においが鼻につくから鼻で息が出来なくなって食べ物の香りが分からなくなるし、煙(すす=固体)のにおいが服についてしまうので、全身が汚れたような不快な気分になるからだ。自分の近くでぷはーっと煙を吐かれると、激しいいらだちを覚えることすらある。「お金をあげるから、吸うのをやめてもらえませんか」と経済学でいうコースの定理を実践してみたい衝動にかられたことが何度あったことか。それほどに、自分はラーメン屋での「煙」を毛嫌いしているのである。そのため、仕事帰りにスーツ姿で立ち寄ることは基本的にはしない。そんなことをしてスーツが煙にまみれたらそのスーツはクリーニングに出さざるをえなくなってしまう。ファブリーズはにおいを誤魔化すことは出来ても消すことは出来ない。鼻がまともな人なら、すれ違った時にたばこのにおいにすぐピンと来るはずだ。その際に、自分はたばこの被害に遭っただけなのに、その人に「たばこを吸ってるのかな」と誤解され、無実の罪を着せられたら非常に嫌なので、クリーニングに出さざるを得ないのである。飲み会の後も、少なくともYシャツとスラックスは必ずクリーニングに出す。今日寄ったラーメン屋でも案の定受動喫煙の被害に遭ったが、今日着ていたスーツはもともとクリーニングに出す予定だったので、それほど実害はなかった。ただやはり、ラーメンの味は幾分か損なわれたと思う。今後は、服の被害のことも考え、ジテツウの帰りに運動用の軽装(ジャージ等)で店に立ち寄るとか、他にお客のいなさそうな、平日の昼下がりに行く(平日休みの日限定)とか、そういった工夫を凝らして自己防衛するしかないと思う。


小規模な店で分煙を実施するのはまず不可能だ。さっさと国で全飲食店(居酒屋含む。ただしバー、スナックくらいは除いてやってもいい)を強制全面禁煙にする法律を作って、喫煙は屋外でするのが最低限の条件というようにして欲しいものだと強く思っている。たばこは嗜好品ではなく麻薬なので、いくら規制しても憲法違反にはならない。むしろ規制しないで非喫煙者のきれいな空気を吸う自由を脅かしている現状のほうが人権侵害で憲法違反なくらいだ。たばこは1箱3000円、飲食店や公共施設の屋内では喫煙禁止、捨て殻や灰を地面に捨てた人は新聞に名前と勤務先を掲載、喫煙習慣が原因で肺がんになった人は医療費全額自己負担くらいの強い規制と罰則を定めて、社会に蔓延する麻薬を早いところ撲滅しないと、日本に明るい将来は永久に訪れないだろう。自分が何の心配もなくラーメン屋に足を運ぶことが出来る日がいつか来ることを、心から祈っている。

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