値上げから

タバコが100円くらい値上げされてから、1ヶ月以上たったが、巷のスモーカーの方々は禁煙したり吸う本数を減らしたりしているんだろうか。それとも、もう諦めて、値上げされた価格に順応してしまったのだろうか。職員にもスモーカーの人は少なくないが、自分が傍目で見ていて感じる限り、10月に入ってからその人たちが禁煙した様子はなかった。基本的にスモーカーの人は40代、50代が中心で、所得もあるし、長年の慣習を今更変えること難しいだろうから、それまでどおり吸い続けているのかもしれない。しかし、うちの大学では来年4月からはキャンパス内が全面禁煙になり、学内に設置されている喫煙所も撤去される予定となっている。全面禁煙自体はとてもよいことだ。もっと禁煙を推進して、早く日本全体を禁煙にしてくれるよう政府には頑張ってほしいものだ。無煙国家が実現するなら、財源補てんのために消費税や所得税が倍になっても、あるいは一時的に数年間給料が2、3割減っても、全く構わないと思っている。長期的な視点で考えれば、社会にとっても自分にとっても、絶対にそのほうが得だ。その代わり、一定年数以上の喫煙歴がある喫煙経験者は医療費の自己負担率を50%くらいまで上げることが必要だ。でないと喫煙者と非喫煙者の間で、医療費の負担をめぐり不公平が生じることになる。まあ、妄言はそれくらいにして、現実的に考えれば、子どもを煙から遠ざけることが、タバコを絶滅させるためのもっとも確実な手段だろう。喫煙者の9割は未成年の時に喫煙習慣を身につけるといわれる(宮島 英紀 著『まだ、タバコですか?』(講談社現代新書)より)。タバコは大人の嗜好品などというが、現実にはむしろその逆で、タバコは未成年の喫煙のおかげで今日まで存在しえているわけである。未成年者喫煙禁止法が厳格に遵守されていたら、タバコはとうの昔に消えていたことだろう。


さて、今までは大学内では指定の喫煙所に限って喫煙が認められていた。だが、それがなくなると、我慢できなくて人目につかない場所でこそこそ吸う人が現れて、逆に秩序が乱れるのではないかと自分は懸念している。学生なら、見つけ次第注意してしまえばいいが、もし職員が吸っている場面を見つけてしまったとしたら厄介だ。注意も出来ないし、かといってそのまま見なかったことにするわけにはいかない。実際どうなるかは、4月になってみなければ分からないし、対応についてもそのときになってから臨機応変に考えるしかないだろう。ただ、吸っている場面が見られなかったとしても、呼気や衣服のにおいから吸った事実は結局周りにばれてしまう。学生はあちこち動き回っているから、外で吸って戻ってきたと考えれば、タバコのにおいがしても不自然ではないが、基本的に日中学内から出ることのない職員がタバコくさければ、それは明らかにおかしい。スモーカーの人たちはどうするつもりなんだろう。チャンスがあったら、一度聴いてみたいものだ。禁煙する気なら、全面的に応援してあげたいところだけど。


ところで、8月に会ったとき「値上げしたら今度こそタバコをやめる」と言っていたS君、今どうしてるかな。生きてるかどうかも不明だが、今度関東に行く機会があったら声をかけてみるとするか。スノボーでもしにこっちまで来てくれるなら、いつだって大歓迎なんだけどね。

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