タバコ=PM2.5

目がかゆい。鼻の奥がいがらっぽい。そして鼻水が止まらない。完全に花粉症である。今週から本格的に発症してしまった。特に目のかゆみが猛烈だ。今年は昨年の数倍の飛散量だと言われているが、なるほど確かにそのようだ。屋内屋外を問わずどこにいてもかゆい。寝ている最中にも目を覚ましては、目をこすってしまう。洗眼液で洗ってみても焼け石に水だ。本当につらい。


こんな状態で今夜消防の夜警に行ったら、ますます症状がひどくなった。ほかの団員がバカスカ吸っているタバコの副流煙の刺激が加わったせいかもしれない。何せタバコの煙は、今巷を賑わせている「PM2.5」の代表格である。大陸から飛んでくるものなんか、文字通りけし粒の如く霞んでしまうほどに、有害極まりない代物である。PM2.5需要で高性能マスクや空気清浄機が売れているメーカーはウハウハだろうが、中国から飛んでくる微粒子はこし取れても、70種類以上もあるタバコの有害物質はこし切れない。ある測定データによれば、禁煙ではない居酒屋のPM2.5濃度は1立方メートル当たり568マイクログラムに達し、北京の大気汚染が最悪の日と同じくらいだと、3月10日付けの日経の朝刊には書いてあった(ちなみにタクシーの車内で喫煙した場合、1000マイクログラムという殺人的な値になる)。この「北京状態」の中にいると、例え短時間の滞在であっても肺に被害を受ける恐れがあるというから、目に悪影響があったとしても不思議ではない。大気汚染により外出自粛が呼び掛けられる暫定基準値は70マイクログラムだが、100マイクログラムを超えることはほとんどないという。海を渡ってくるPM2.5の濃度を心配するより、屋内でのタバコによる受動喫煙を心配する方がよっぽど科学的に正しい反応だと言える。環境リスクには過剰反応するくせに、タバコの煙には寛容な日本の悪しき伝統は、残念ながらいまだに健在のようである。とにかく消防の喫煙率の高さは異常だ。どうにか受動喫煙を防げないものか。10年以上付き合っていかなければいけない活動なだけに、非常に悩ましい問題だ。

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