2nd iPod

先日、二台目のiPodを買った。「iPod classic 160GB」だ。これまで使ってきたものと同じ、充実した音楽再生機能を持つ一番スタンダードなタイプのiPodである。2006年9月に購入した一台目のiPod(第5.5世代、80GB)は今も健在なのだが、昨年春からはカーオーディオの一部として常に車載されるようになったため、着脱の面倒さから家で聴いたり出先に持ち出して聴いたりすることがめっきり少なくなり、ほとんど携帯音楽プレーヤーとしての用をなさなくなってしまっていた。自室ではPCを使ってその機能を代用していたが、自分は常にPCを点けっぱなしておくタイプではない(通常のPCは耐久性の高い製品ではないので、長時間起動し続ければ当然故障の可能性が高くなる)ので、音楽を聴くためだけにPCを起動するのは億劫で、音楽を楽しみたいという自分の欲求を十分に満たすことは出来なかった。そこで、「いつでもどこでも自由に音楽を聴くことができる」という本来の目的を取り戻すために、二台目の購入に踏み切ったのである。また現行のiPodも、車という振動の弱いHDDには過酷な環境でいつまで使えるか分かったものではないので、壊れたときのためのバックアップという意味合いも少なからずあった。



↑店頭でまず驚いたのは、パッケージの小ささだった。左は単3電池。本当は白が欲しかったが、黒しか置いていなかった。


↑箱を開けるとすぐ本体が姿を現す。本体を覆うシールに、以前は「音楽を盗用しないでください」という不自然で印象的な日本語が書かれていたのだが、今回は何も書かれていなかった。


↑付属品はこれだけ。詳しい使い方についてのマニュアルもない。素っ気ないというか、不親切というか。自分は旧来のユーザーなので困らないが、PCに不慣れな全くの素人だと、突き放されたような印象を受けるかもしれない。



↑4年半前に買った先代のiPodのパッケージ。今のものに比べ明らかに横長だ。


↑箱の厚みは、わずかながらこちらのほうが薄い。


買ったのは先週末だったが、開梱し使い始めたのは、昨日の夜からだ。8000曲以上のライブラリをPCから転送するのにはかなり時間がかかった。特段下調べせず、あまり前提知識のないままに購入したので、使ってみて、これまでのものとの差異や新機能について多くの発見があった。まず液晶の精細さが段違いなのに驚かされた。そしてiTunesと同じようにカバーフロー(ページをめくるようにCDのジャケット写真を表示・スクロールできる機能)が使えたり、アルバム選択時にジャケット写真が表示されたりと、操作画面がとてもビジュアリスティックなところに惹きつけられた。またバックライトがオフ状態だと、音楽再生情報の代わりに液晶の全面に時計が表示されるところなど、今までのただ暗くなるだけのとは違い、工夫されているなと感心させられた。HDD読み込み時のシーク音が従来よりけたたましくなったところ(家で聴くときは気になるが、ざわざわした外出先で聴く分には特に問題ないだろう)以外は、正統に大幅に進化しているなと実感した。これで4年半前より値段は半分になっているのだから、驚きをとおりこして、一体中の部品はどうなっているんだ、粗悪品が使われているのではないかと不安にさえなるくらいだ。だが、低価格の実現にはパッケージを極限まで簡素化し小さくするといった、コストを抑えるための合理的な工夫の裏付けが存在することを確認できるし、自分自身4年半以上iPodを使用してきてアップルの製品が信頼するに足るものであることをこの目で確かめているので、これもアップルの企業努力なのだと思って信頼したいと思う。


iPodは、現在自室のスピーカーに接続されている。これをきっかけに、就寝前にタイマーをかけて音楽を聴く習慣が、1年ぶりに復活することになりそうだ。音楽を聴く回数自体も増えることだろう。こういった生活を豊かにする優れた製品というのは、探せばまだまだ存在するに違いない。最近モノばかり買いすぎて部屋が手狭になりつつあるが、お金は使ってナンボのものなので、不要なものは手放し、環境への影響を念頭に置きつつも、今後も電化製品にお金を重点的に投入していきたいと思う。

(65分)