PC排出

先日、デスクトップPCを廃棄した件について。捨てたのは、2003年3月に高校合格祝いとして買ってもらった、初めての自分専用のPCだった。これを自室に置いたことがネットやネトゲにハマるきっかけとなり、自分の人生を変えた大きく存在であった。そのため、良くも悪くも思い入れがあり、低スペックで動作も石のように重かったものの、今まで捨てずに、家族共用PCとして残してあった。だが、母が新しいノートPCを買い、誰もその古いPCを使うものがいなくなったことから、とうとう捨てることを決意するに至ったのだった。


捨てるといっても、粗大ごみに出した訳ではない。リサイクルに回すため、有料でメーカーに引き取ってもらったのである。PCは「資源有効利用促進法」に基づいてメーカーが回収し、再資源化することになっている。そのため、廃PCは家電量販店で引き取ってもらうのではなく、個人がメーカー宛てに送るという形を取ることになる。2003年10月以降に発売された製品には、「PCリサイクルマーク」が付いており、販売価格にリサイクル料金が予め含まれている。そのため、このマークが付いている製品であれば無償で引き取ってもらうことが可能なのだが、今回は制度開始前の製品だったので、マークはついていなかった。そのため、メーカーにリサイクル料金を支払う必要があった。


今回廃棄したのは、NECの「VALUESTAR PC-VL3005D」。デスクトップなので、本体と液晶ディスプレイのそれぞれに処分費用がかかる。合わせて6,300円(税込)だった。世話になったPCの「葬式代」だと思えばさほど高い額ではないが、5万円出せば標準的なスペックのPCが買えてしまう時代であることを考えると、この負担を嫌って山に不法投棄する人がいても不思議ではない額だとも言える。これだけ古い機種だと、リサイクルショップ等でも買い取ってはくれないだろう。古いPCのリサイクルを進める上では、この負担の存在は厄介な問題だ。自分はこの費用をクレジットで支払った。


費用の支払いから数日後、自宅に発送用の伝票が届いた。PCをメーカーに発送するためのもので、PC本体とディスプレイを別々の箱で送るために、伝票は2枚あった。PCに残っていたデータを一部回収した後で、HDDをフォーマットして初期化し、全てのデータを削除。その後で、手元にあった段ボール箱2個(ビニール袋でも可)に本体やディスプレイやキーボード等の付属品を詰めた。これで排出する準備は完了。郵便局に集荷に来てもらうことも出来たが、手っ取り早く済ませるために、軽トラの荷台に乗せて窓口に直接持ち込んだ。それが11月25日のことだった。自分がやるべき手続きはここまで。やってみると結構簡単だった。





PCを一度発送したら最後、所有権は失われ、キャンセルすることは出来ない。おそらく今頃は、リサイクル工場で分解されたか溶かされたかしてしまって、跡形もなくなっているに違いない。もしかしたら、新しい製品の原料として再生し、誰かの元で再び活躍しているかもしれない。PCや携帯電話は希少金属が多く含まれることから「都市鉱山」と称されている。もっとリサイクルが普及し、より高度化されることによって、輸入に頼らずとも再生資源によって国内需要が賄えるような時代が実現することを願っている。


一般社団法人パソコン3R推進協会http://www.pc3r.jp/index.html


NEC 121ware.com リサイクル
http://121ware.com/support/recycle/

(60分:12/20・25)