弁当

自分の今日の夕飯はこんな弁当だった。



大学院の授業の一環で、18時から弁当法のセミナーが学食を貸し切って行われたのだが、院生だけでは人数が少なくてあれだからとかで、職員にも声がかかったのだった。自分の体格や活動量にあったサイズの弁当箱に、主食、主菜、副菜の配分を考えて自分でおかずを詰め、それを食べるという内容のもので、一食タダで食べられるというので、結構大勢参加した。自分もその中の一人だったのである。前々からアナウンスされていたので、家には夕飯はいらないと予め伝えてあった。無料なのと引き換えに、弁当を作る前に講義を聴いたり、終わった後アンケートを書いたりという手間はあったが、弁当ながらかなりボリュームのある夕飯が食べられて満足した。恥ずかしながら、これまで弁当におかずを詰めた経験はほとんどなかった(少なくとも過去5年くらいは皆無)ので、なかなか思い通りに行かなくて、ちょっと情けない気分にもなった。そもそも普段は、栄養バランスや摂取カロリーについて考えて食事の内容や量を決めることは全くしていない。家庭科の先生に怒られそうなくらい無頓着だが、小食かつ噛む回数が人並み外れて半端なく多い(一口およそ60〜90回)ためか、表面上は太ったりもせず一応健康体ということになっている。ただ無頓着以上に、無知なのがやはり問題だ。弁当法について書かれた講義資料ももらったので、これを機会に一度きちんと勉強し、実践して、自分にあった弁当を自分で作れるようになってみたいと思う。


こういう思いがけないイベントに参加できるのは、小規模大学ならではの魅力かもしれない。大きな大学では、学生が多いから職員が手伝う(?)必要もないだろうし、情報伝達のスピード(特に非公式・非組織的な情報)だってやはり劣るだろう。何より、キャンパスが広ければおいそれとこうした催しに出向くこともできないはずだ。でかい大学にはでかい大学の価値や魅力があり、小さい大学には小さい大学ならではの価値や魅力があるのだと思う。スケールメリットにばかり目を向けるのではなく、大小いずれも併存することで異なる機能を発揮していくという価値観があることも、ぜひ多くの人に考えてみてほしいとつくづく思う。


それにしても、今日はこのセミナーに2時間参加していたために、残業がいつもより長引いてしまった。23時台まで職場にいることになるとは、弁当を食べ終わったときには思ってもみなかった。危うく午前様になるところだった。それでもまだ残っている人がちらほらいるのがこれまた驚くべきことで、就職する前はこうした実情が存在することなど微塵も想像していなかった。4月当初には、上司が19時半に送っていたメールを見つけて「こんなに残ってたのか」と驚いたことがあったほどに、ネットに流布する「大学職員=定時帰り」というステレオタイプなイメージに洗脳されていた。定時で帰る気満々でいた、当時の自分のおめでたい頭をちょっと殴りに行きたい気分だ。とにかく近頃は残業続きなのだが、仕事内容が難しいとか膨大とかいうのではなく、あくまで自分の仕事の段取りが悪いのが残業が長引いてしまう最大の原因だと思う。今年度は何をやったらいいのか分からない部分が大きくて手探りだったためにこんな状態になってしまったが、来年度は今年度の反省を生かして、きちんと業務内容の明確化と時系列化を行い、計画的に遺漏なく遂行できるように努力したい。そう本気で考えているところである。

(60分)