宇宙食

8月頭に友人二人と東京に行った時、丸の内オアゾにある「JAXAi」という施設に行った。宇宙航空研究開発機構JAXA)の広報施設のようなところで、ロケットエンジンや宇宙服などが展示してあった。探査機はやぶさに関するパネルなども展示してあり、狭いスペースながら楽しかった。そこでおみやげに買ったものの一つが、下の宇宙食だった。



中身は、キムチである。厳密にはこれは実際に宇宙で食べられている本物の宇宙食ではなく、宇宙食をイメージしてフリーズドライ加工して作られた食品である、ということに最近気がついた。同様の商品が何種類かあった中からキムチを選んだのは、「ごはんと一緒に食べたらおいしそう」と思ったからだろうと思われる。が、宇宙でお椀に盛ったごはんとキムチを一緒に食べるなんてことは考えられないし、自分自身普段はキムチを食べることなどなく、特別好きでもない。ということで、買ってから4カ月近く、未開封のまま自室で保管されていた。ただ、賞味期限が来年の11月までとそれほど長持ちするわけでもなかったので、取っておいても仕方ないし、さっさと食べてしまおうと思い、一昨日の夕飯時にごはんにのせて食べてみた。



↑600円で中身がたったこれだけというのは・・・スーパーに売っていたとしたら絶対買えない。


味は、正直、すごく、微妙だった。ごはんにのせてみたものの、カラカラになっていてほぐれないので、直接口に含んで溶かしてみた。埃っぽい風味、っていうのかな、とても形容しがたい、どこかで嗅いだことのあるような気がするんだけど思い出せない、妙なにおいがとても強烈で、あまりおいしいとは思えなかった。うーん、宇宙で人間らしい生活をするのには、乗り越えなければならない壁はまだまだ多いようだ・・・と食べながら少し感慨にふけったりしてしまった。2個までは食べられたが、さすがに3個目は食べる気がしなくて、食卓の上に残しておいたら、いつの間にか消えていた。家族が食べたのかと思って母親に聞いたら、食べてみたけどまずかったので一口かじって捨ててしまったということだった。せっかく買ってきたのに・・・とは思ったが、味が味なので、もったいないとも思わなかった。


キムチはちょっと残念だったが、実はJAXAiではもう一品購入していた。それは缶詰に入った「宇宙パン」である。こちらは、スペースシャトルで使用されたことがあるということで、正真正銘の宇宙食である。「焼きたてパンのおいしさをそのままに!ふんわりソフトなミルク味」というキャッチコピーが書かれていて、ちょっとは味に期待ができそうである。缶詰なのに賞味期限が来年6月と、意外と長持ちしないので、また近いうちにこちらも食べてしまおうと思う。

(25分)