北から西へ

高校時代の友人、H.S.氏(以降「H氏」とする)が帰省していたので、午後から会いにでかけた。彼は1年大学浪人をして、現在群馬の大学の4年生である。最近彼の東京の某区役所への採用が内定したので、それを祝うために一杯やろうということを自分が持ちかけたのが、今回会うことになったきっかけだった。ついでにあることを相談するのも、大きな目的となっていた。


13時15分、待ち合わせ場所のコンビニに到着。待っていたH氏をアクセラに乗せて出発した。本来なら彼に祝福の言葉でもかける場面だが、つい1ヶ月半前にもここ上越で会ったばかりだし、内定報告を受けた日に電話もかけていたので、もう十分かと思って特にそういうことは言わなかった。後で彼の口から、「ここがゴールじゃないんだから、あんまり祝われたくない」といった言葉も聞いたので、まあそれでよかったんだと思う。で、「いやあ、暑いね」みたいな感じの会話から始まることになって、その後も基本的に抑揚がないといっては語弊があるが、いうなれば落ち着いた雰囲気で終始過ごすことになった。


夕方までは、適当にあちこち行って時間を過ごすことにした。まずは映画館で、昨日から上映が始まった「バイオハザードIVアフターライフ」という3D映画を見た。爆発と銃撃と派手なアクションの嵐のごとき映画で、前作までのストーリーを知っていてもいなくても特段関係ないような内容だった。悪役ウェスカーの超人的な銃弾除けや登場する凶悪なクリーチャーなど、原作のゲームシリーズ最新作「バイオ5」の要素を反映した部分も随所に見られ、ファン心理をくすぐる部分もあった。だが、渋谷の地下にアンブレラ社の巨大地下基地があって、ウェスカーがそこからティルトローターで脱出する際スクランブル交差点にぱかっと穴が空くなど、設定がぶっ飛びすぎていているので、原作とは全く別物の作品と考えたほうがいいだろう。いい加減完結するかと思ったが、またしても「続編へ続く」という形で終わったので、見た後ちょっとすっきりしないものは残ったが、でもこれはこれで結構面白かったので満足。前作までを見たことがないというH氏は、爆破シーンのインパクトがとても強かったようで、感想を聞いてもそれについての言及しか返ってこなかったが、まあよしとしよう。それにしても、エンドクレジットが始まってすぐ帰っちゃった人はちょっと残念だったな。もうちょっと辛抱してれば、続編の手掛かりとなるシーンが見られたってのに。ヱヴァ:破のときも同じことを思ったものだ。自分はそういうシーンを見逃すまいと思って、なるべく最後まで見るようにしている。


その後は、服屋、電器屋、ゲーセン、ダムと巡って、時間は流れ、気づけば18時を過ぎていた。じゃあそろそろ・・・ってことで入った店は、ファミレスのココスだった。本当は飲み屋に行きたかったのだが、彼が「別に飲まなくていいんだけど」と難色を示したし、自分も車を職場に置いて家族に迎えに来てもらったりするのがだんだん面倒くさく感じられてきたので、飲まないでファミレスに行くことで妥協することとした。18時25分に入店し、しばらく待つと席に案内された。ノンアルコールということでは妥協したものの、それでも酒を飲んでいる雰囲気だけでも演出しようと思い、「キリンフリー」で乾杯することにした。これを飲むのは初めてだ。「H氏の今後の一層の発展を願って」と言って、乾杯。飲んでみると、確かにビールっぽい味がした。でも完成度はまだまだビールに及ばないなと感じた。やがて食事が運ばれてきたので、それをもぐもぐと食べた。ステーキはやわらかすぎてちょっと食べ応えがなかったが、値段を考えればこんなものだろう。食事が一段落すると、今回打ち合わせて決めることになっていた「シルバーウィーク中の旅行」の話がいよいよ取り上げられることになった。どこかしら旅行に行きたいといっていた彼に対し、提案した行き先は、北海道だった。去年の夏に行ったときにとても楽しかったので、この7連休を使ってもう一度行きたいと思ったのである。この7連休を作ったのも、そもそも北海道に行くためであった。この「北海道に行こう」という話は以前から彼にもちかけていた。しかし、自分の提示した5泊6日の日程が彼のバイトの都合でどうしても無理だということになり、計画は壁にぶち当たった。自分は何とかバイトの予定をずらして行くことはできないものかと抵抗したが、彼がなかなか頑固で、例えバイトがずらせても日曜日は寝る日だから出掛けるのは無理とかそういうことをいうので、自分もとうとう折れて、北海道行きは断念することにした。そして紆余曲折の末、その場で代わりに行くことが決まったのが「四国」だった。北海道の代わりに行くなら、一度も行ったことのない四国に行くのがいいと思ったのである。四国なら、一周するハードルは北海道よりずっと低いはずである。そこで四国をレンタカーで一周しようということを自分は提案し、四国周辺の地図が手元にないままに、頭の中の地図と携帯で調べた電車の情報をもとに、21日(火)〜24日(金)の3泊4日で四国を回る案が策定された。神戸まで電車で各自向かい、現地で合流した後、神戸からレンタカーで四国へ向かう。その後、ぐるっと回ってまた神戸まで戻ってきたところでレンタカーを返却し、そこで解散。それぞれ別々に家に帰るという筋書きである。これについてはH氏もさっきとは打って変わってかなり前向きとなり、熱心な打ち合わせが行われ盛り上がることとなった。当日までに必要な準備と、その役割分担について決めて、残りは来週中に連絡を取り詰めるということで打ち合わせは終了。21時40分、ココスを後にした。



↑その場で描かれた全行程のルートの手書き図と予算案。広島市の位置がよく分かっていなかったので、広島観光も出来るのではないかとこの時点では思っていたが、後でずいぶん離れていることが分かり断念した。


↓帰宅後改めて考えたルート。「四国一周」を明確化するため、しなまみ海道をやめて香川県経由にした。佐田岬半島は回り道になるが、ここは絶対外せない。経由する観光スポットについては出たとこ勝負であんまり詰めないことにした。すごーくアバウトに見積もって、走行距離は1000kmくらいになる予定。


その後は、ボウリング場で2ゲームプレイして、自分たちのあまりに低次元なスコアに互いにあきれつつ(自分はアベレージ66.5、H氏はもうちょっと低い)、疲れに背中を押され帰途についた。23時15分、彼を集合したのと同じコンビニに下ろし、「お疲れ様」と声をかけて別れた。自分は23時33分に帰宅。風呂に入ってPCをつけ、今に至る。


明日は走るルートについてしっかり決めたり、宿泊地を決めてH氏に宿の手配を頼んだりするとしよう。必要ないかもしれないが、一応「ツーリングマップル中国・四国」も買っておくとするか。いやはや、楽しみだな。これからの1週間は、毎日がわくわく感に包まれたものとなりそうだ。

(150分)