足の指

昨日は終日口の中に血の味が漂っていて、しかも麻酔が切れた後、抜歯部分が微妙にツーンと痛んでいたので、何もやる気が起きなかった。しかし一晩明けて今朝起きてみると、枕のタオルに血が付いていたりはせず、出血は完全に止まっていて、抜歯部分の違和感はなくなっていた。感覚的には、もうほとんど抜歯前の状態に戻っていて、人間の体ってのは、「歯を無理やり抜く」なんてイレギュラーな事態にも簡単に慣れられるんだな、すごくよく出来てるんだなと地味に感動したのだった。あまりにも口の中が自然だったので、食後の服薬について意識が薄れかけたが、洗面台に注意を促す貼り紙をしていたおかげで幸いにも忘れずにすみ、3回しっかり飲んだ。食事中も、なるべく左で噛み、歯磨き後うがいをする際も(もう大丈夫なような気もしたが)、あまり強く口をゆすがないよう心がけた。鏡で見ると、抜歯部分に黒い糸が縫ってあるのが分かる。次の予約日が一週間後の月曜日なので、この時に抜糸されることになるのだろう。今までに糸で縫うような手術を受けたのは、小学1年生の時に工作中誤ってカッターで左手の親指を切ってしまった時くらいなので、抜糸もそれ以来、16年ぶりということになろうか。非常にどうでもいいことではあるが、何だか感慨深くもある。


どうでもいいことといえば、体のことについて、最近面白い発見をした。足の指の動き方というか動かし方というかについてのことである。それは、「左足は、他の指を閉じて親指だけを立てることが出来るが、右足だとそれが出来ず、親指も他の指に連動して閉じてしまう」ということだ。どうしてこんなことを発見したかというと、卓上カレンダーの「健康のためにやってみましょう」みたいなことが書かれた欄に、「足指じゃんけん」というのが載っていて、そこで「ぐー(全指閉じる)」「ちょき(親指だけ立てる)」「ぱー(全指を開く)」というルールが書かれていて実践してみたら、ちょきだけが右足では出来なかったので、気づいたのである。それが1カ月か2ヶ月くらい前のことで、さっき「エチカの鏡」でまた足指じゃんけんが紹介されていたのを見てそれを思い出し、記事にしたというわけなのである。自分は右手が利き手だし、足も恐らく右足が利き足だから、右足のほうが器用に動かせるかと思いきや、実際には左足のほうが(今回は)器用に動かせるという事実。これは意外であった。足の指でちょきが出来るかどうかの差異などは、現実問題としては何か生活上支障をきたすものではないので、特段気にしてはいないが、それでも「なぜ差異が生じるのか」という疑問は生じる。機会があったら、足の指の動きを司っているのが脳のどの部分なのかとか、どうしたら足の指を手の指同様に自由に動かせるようになるのかとか、そういうことを調べてみたいと思う。

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