移ろい

新潟市の中心部に行ったついでに、ちょっと足を延ばして新大まで行ってみた。大学前駅から西日がじりじりと暑い中を歩くこと約800m。見覚えの「ない」景色が飛び込んできた。

卒業式の日の午前中にお披露目されたという、大学の新しい門である。文教速報と文教ニュース(どっちも国立大関連情報に特化した新聞みたいなもので、職場で回覧されてくる)でも取り上げられていたので気になっていた。これがどんな感じなのか見物するのが、わざわざここまでやってきた目的だった。近づいてみると、ガソリンスタンドの角から図書館の前までが一直線に結ばれ、すごく奥行きを感じると共に広々とした歩道に驚かされた。ここが林だったときの姿など、今や思い出すことは出来ない。誰も要望してないだろうに、どでかい工事をしてしまったものだ。よっぽど予算が余っているに違いない。うちのような弱小大との格の違いをまざまざと見せ付けられた気分だった。

交差点の角に面した部分は、広場状になっていて、座れそうな石も置いてあった。開放的な感じがする反面、駅側から近づいてくるときには、電線とか「ENEOS」の看板が邪魔していまいち見た目がすっきりしていなくて、大学の正面玄関としての位置的なインパクトが弱いような気がしたのも事実だった。でも一番気になったのは、この門が何と呼ばれているのかということだ。順当に考えれば正門だろうが、そうなると前の正門は何て呼ぶことになるのだろう。どっちも一緒くたに正門なのかもしれない。こればっかりは行って見ただけではわからないことだ。まあ別に今すぐ知りたいわけでもないので、機会があったら誰かに聞いてみるとしよう。門をくぐって敷地の中にも少し入ってみたが、あまりにも見飽きた景色に懐かしさも感じられなかったので、すぐ引き返した。結局、滞在時間は10分くらいだった。

念願、というほどでもないが、気になっていたものをきちんと確かめられたので、もうここに来ることもないだろう。吉野家が潰れていたのがちょっとショックだった(やはりすき家との競争に勝てなかったか・・・)が、他の店とか建物もこの先どんどん変わっていくのだろう。それが時代の移ろいの必然、世の常というものだ。ワープで日替わり定食(B定食)を食べて、一息ついてから帰途に着いたが、この味のぼんやりした印象くらいは、記憶の中でいつまでも生き続けて欲しいもんだなぁ、なんてちょっとしみじみしたのだった。

(50分)

※追記※(7/31)
新大のパンフレットを見る機会があったので、それの中の地図を見てみたら、元の正門は「(旧)正門」と表記されていた。まあそんなもんか、と思った。