仏陀再誕

昨年10月、友人たちと「カイジ」の映画を見に映画館に行った際、すごくぶっ飛んだ感じのアニメ映画の予告編が流されていて目に留まった。その映画は「仏陀再誕」という作品。タイトルだけ見るとなんだかありがたそうなお話なのかと思ってしまうが、途中に謎のおっさんがいきなりスーパーサイヤ人化したみたいに「ううぉおおおおー!」という感じで燃え上がる(?)シーンがあって、そこで三人揃って爆笑してしまったのだった。


それから4ヶ月。今日は「狼と香辛料」というアニメのDVDを2本見た。見たのは今日が初めて。狼の神様が人間の少女の姿となって現れ、行商人の男と旅をするというお話。狼だけに牙があり、狼の耳が生えていて、ふさふさのしっぽもある。猫耳少女の狼版といった感じ。一人称が「わっち」だったりして言葉遣いもなかなか独特で、結構斬新なキャラクターだと思って気に入った。でも別にそれが全てではなく、中世ヨーロッパ風の世界を舞台に商人達が繰り広げる駆け引きがストーリーの主軸となっている、ある意味経済がテーマの作品だ。真面目に見ようとすると結構頭を使う内容だと思うが、ぼんやり見ているだけでも十分ついていけるようになっているので夕飯を食べながら見て楽しんだ。で、その狼のホロの声優の小清水亜美さんをWikipediaで調べていたら、出演作品の中に先の仏陀再臨があったというわけだ。この映画、作ったのはあの「幸福の科学」であるらしい。去年の衆院選で異様な存在感を放っていた幸福実現党の母体である。通りで胡散臭い感じがしたわけだと腑に落ちた。今回ついでに知って軽くショックだったのは、「金田一少年の事件簿」で有名な漫画家・さとうふみやさんがこれの信者だということだった。うーん、金田一は名作だけど、ちょっとこれからは見る目が変わっちゃうかも。いくらさとうさんが作画担当で原作は別の人といってもね。自分は新興宗教も歴史ある宗教も何も妄信しはしないし、科学ですら一つの宗教だと思ってるから、こういうのを信じてしまうことはないと思う。自分は自分の中で確信を持ったことしか信じないし、信じる者しか救わないセコい神様を拝みたくはないから。だからといって信じるものも信じないものも救う神様がいたとしても、それを信じようと信じまいと誰でも救われるわけで、特に信じなくても救われるなら自分はわざわざ信じないから、結局何も信じなくても変わらないというのが自分の論理である。各宗教の教えの中には、結構普遍的で価値のある言葉があると思うのだが、エッセンスを抽出してしまえばあとは誰が言った言葉だろうと関係ないから、それを知ったからといってその宗教に興味を持つことも有り得ない。まあどうでもいいけど、とにかく自分はそういう偏屈だという話だ。

(60分)