新駅建設中


来春に開通する北陸新幹線の建設中の新駅の写真。建物はほぼ完成していて、現在は内装や駅前ロータリーの工事をしているようだ。多くの人や車両が往来している。通勤の途中に毎日目にしているので見慣れた光景だが、高架の基礎部分を作っていたころからずっと見てきたし、現場に隣接する道路の度重なる工事で不便を強いられてもきたので、この段階にまで至ったのは結構感慨深いものがある。ちなみに、5年前の現場はこんな感じだった。

新駅の写真は、昨日の昼間に自転車で出かけた途上で撮ったものだ。毎日目にしているとつい何気なく通り過ぎてしまうが、建設中の様子は今だけしか見られないものでもある。スカイツリーの建設中の写真を撮り続けた人がいたように、この風景を撮ることも、貴重ではないにしても、それなりに意味のあることではないかと思い撮ってみた。「やらない後悔より、やる後悔」というのは写真の世界にこそ当てはまる言葉であって、撮らなくて後悔することはあっても、撮って後悔することはまずありえない。だから、気に留まったものは何でもかんでもとにかく撮ろうというのが自分のスタンスである。幸いにもデジタル写真の時代なので、撮るコストも、撮った写真を保管するコストも限りなくゼロである。上記の5年前の写真も、特に意味もなく撮ったものだが、時間が経った今になってブログ記事の素材としての用途を与えられるに至った。あらゆることがものすごいスピードで変化していく時代だけれど、だからといって古くなり、上書きされて消えた過去が無価値だということにはならない。頭を空っぽにして、前をしっかり見つめるためにも、過去を美化や風化に晒されない客観的な記録の中に固定して、安心して記憶を忘れられるようにするのは大事なことだ。「記憶を忘れるための記録」という目的を掲げて、自分は今日も色んなものを撮り、家計簿を異常なほどに詳細に記し、何時何分に寝起きして家を出て帰宅したかを書き続けるのである。

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