節約術 その1

社会人生活も早4年目。給与の累計支給額(額面)は先月のボーナスでとうとう1000万円を超えた。手取りベースでも850万円に達している。今まで「お金は使ってこそ価値がある」という信念から特段貯蓄の目標は立てず、有効活用することを目指して極力消費してきたが、それでもある程度の金融資産が自然と形成されるに至っている。自分は、お金を何に、どのように、どれだけ投じるかという個々人の選択が、社会を動かし、その形を変える大きな力であると信じている。それは経済学部卒という経歴とは直接は関係ないことなのだが、自分はお金の使い方に色々ルールを決めているし、人一倍こだわりがあるのである。お金が消えずに残っているのには、自分の行動や習慣のどこかに何らかの理由があるに違いない。そうした自分が普段心がけている、お金の「使用上の注意」について、特に節約につながりそうなことを、思いつく範囲で簡単にまとめてみたい。


①極力コンビニでの買い物はしない
同じ商品を買うにしても、コンビニは価格が高い。ましてや惣菜や弁当は高いのに量が少なくあまり美味しくない。コンビニは利便性を売り物にしている商売である。今すぐ必要なものがあるとき以外はコンビニでの買い物はせず、スーパーや専門店で済ませるようにする。ただ、プリン等のデザート系の品ぞろえは豊富なので、それらはついつい仕事帰りに買ってしまうことが多い。


②ATM手数料を避ける
コンビニの便利な点の一つに、店内のATMでお金を下ろせることがある。しかし、時間帯や曜日によって手数料が発生することが多い上に、1回につき150〜250円くらいもかかる。これを小さい額と侮る人は散財家のセンスがある。これは自分に何の効用ももたらさない、純然たるコストだ。同じお金を使うなら、コストとして失うより、効用に変換したほうがいい。150円あれば飲み物が買えるし、500円あればマンガが1冊買える。同じお金なら、より長く、高い効用を得られる商品を選ぶべきだと自分は思う。それゆえ自分は手数料のかかるコンビニでお金を下ろさないのだが、代わりに郵便局のATMでゆうちょ口座から月に1、2回現金を引き出している。ゆうちょ銀行は時間帯や曜日に関わらず、郵便局のATMならどこでも手数料は無料だ。最近はそうした銀行も増えているらしいが、コンビニだとたいてい手数料がかかる。コンビニのATMを使うのは真にやむを得ない場合に限る。


③ポイントは貯めずにこまめに使う
自分はTカードをよく使う。エネオス、ガスト、蔦屋、DEPOなど、Tポイントが貯まる店舗はとても多いし、自分の場合はクレジットカードを使ったときにもTポイントが貯まる。それゆえ、ポイントがひと月で500円分くらいは簡単に貯まってしまうのだが、こうしたポイントは出来るだけ貯め込まず、すぐに消費するようにしている。こうしたポイントには、(1)期限切れで失効するリスク、(2)お金と違いいくら貯めても利息がつかない、(3)カードの紛失により消失するリスク、(4)発行者側の事情で使えなくなる(制度が変わったり無くなったりする)リスク、といった問題点があり、あまり大きな額を貯め込むのはよくない。それゆえ、貯める金額は1000円以下に抑え、会計時の100円以下の端数の値引き等で積極的に使うように努めている。


④むやみにポイントカードを作らない
ポイントやスタンプが貯まるからといって、あちこちの店でカードを作ると、ポイントが分散し、なかなか貯まらない上に、カード1枚あたりの利用頻度が少なくなるため期限切れで失効する危険が高まる。それに財布がカードで溢れかえる羽目になり、会計時にカードを探すのに手間取りレジ前で慌ててしまうことになる。これではみっともないし、時間の無駄でもある。ポイントを貯めるカードの種類を絞り込み、利用するお店の種類を限定すれば、ポイントは貯まりやすくなり、財布の中もスッキリする。


⑤お釣りを受け取ったら必ず数える
店員が「○○円のお釣りです。どうぞお確かめください」と言ったら、実際にその場で確かめる。手のひらの上で小銭を数えるのだ。店員がどんな顔をするかなど知ったことではない。手間ではあるが、せいぜい2、3秒あれば済むので、怠らないようにする。万一誤っていたら、その場で正しい額にしてもらえるが、一度でも財布の中に入れてしまえば訂正してもらうのは不可能になる。自動販売機でもこれを欠かさないこと。これだけで、家計簿をつける時の「使途不明金(財布と帳簿の金額の不一致)」が確実に減少する。また、釣銭をなるべく少なくするために、面倒でも1円単位の小銭まで支払ったり、ポイントを使って端数処理をしたりするのも効果的である。


⑥レシートは必ず受け取る
自分は1円単位まで正確かつ緻密に家計簿(現在は家計を支えていないので、厳密には「収支記録」と呼んでいる)をつけているので、会計時のレシートの入手は欠かせない。しかし、家計簿をマメにつけていない人であっても、レシートを受け取ることの意味は大きい。レシートの価値は大きく2つある。「何にいくら使った」という自分(または家計)の消費傾向を分析するためのツールになることと、商品の価格帯や相場を知る手掛かりになることである。レシートを見れば、A店よりB店のほうが安かったとか、最近ガソリン単価が上がっているとか、コンビニでの買い物が多いとかいったことが分かるようになる。こうしたことは頻繁に行う必要はないが、レシートをもらったりもらわなかったりだと、そこから統計的に信頼性のある客観的なデータを取り出すことは難しくなる。どう使うかはさておき、とにかく手に入るレシートは全部もらっておく、もし渡してくれなかったら「ください」と一言伝えることを習慣にすることが大切である。


⑦安物よりちょっといいものを選ぶ
経験上、安物を買うと、十分な満足度が得られず、買い足したり買い直したりする羽目になることが多い。食べ物でも、衣類でも、スポーツや趣味の道具でもそうだ。安物は往々にして耐久性が劣る。「安物買いの銭失い」というのは真理である。大して価格が変わらなければ、少し高い品質のいいもの、効率の高いものを選んだほうが長く使えるので、結果的には得である。それによってゴミの排出が少なくなれば、環境保全にもなる。


・・・とりあえず、ぱっとおもいついたものは以上。思いつき次第、続編を掲載する予定である。

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