仕事術 その1(机術編)

就職してからの3年間、自分はずっと職場の仕事机の改良に取り組んできた。より便利で使いやすく、快適で、仕事の能率がアップする、自分専用の「コクピット」のような机・・・そんな理想を掲げて、「机術」というテーマに人一倍こだわってきた。その過程においては、テレビ番組(主に「会社の星」)や、新聞、雑誌、ほかの人の机、文房具屋に100円ショップなど、役立ちそうな道具やアイデアを求めて様々なものを参考にしたし、自腹でかなり多くの費用を投じてきた。試したアイデアが必ずしも全てうまくいった訳ではないし、自分には合わないと感じて途中でやめたものもあった。取捨選択と試行錯誤を繰り返しながら、自分に最適な机を追求して、工夫を重ねてきた。その結果として、最近ようやく、理想としていた机の姿がほぼ実現するに至った。


ということで、以下に自分の仕事机における工夫とこだわりについてまとめてみたい。


【ポイント】
(1)机上スペースの立体的活用
(2)仕事に必要な情報の「見える化
(3)PC操作モードと手作業・書類確認モードの素早い切替
※机のサイズ:横120cm×奥行き68cm(8160平方cm)


<机上>
①電話は左隅
基本中の基本、左手で受話器を持ち、右手でメモが取れる。電話機に課内の内線番号を書いた付箋を貼り、電話転送を迅速化
液晶モニターは机上台(1台目)に設置
モニターを高くすることで、向かいの席の上司の顔を直接見なくて済むほか、「2階建て」になり新たなスペースが生まれる。画面がちょうど目の高さになるので姿勢が良くなり、タイピング時の腕の角度も適正になる
③ファイルや書籍類を机上台(2台目)に置く
スペースが生まれるほか、デスクマットに直に置くより摩擦係数が小さく取り出しやすい。参照率の高いファイルや資料は、すぐ手の届くところに置いている
④メモ用紙やインデックスシール、封筒等をレターラックにまとめて右側に置く
紙片を紛失することなくすぐに使える状態に保つ
⑤机上台下スペースの活用
ティッシュ箱、キーボード・マウス、付箋台等を収納することで、それらの「定位置」が確保出来る上、机を広く使うことが出来る
⑥私物のキーボード(テンキーレス)と液晶付きテンキーの利用
使いやすいキーボードだとタイピングが早く楽になるし、テンキーレスなのでマウスにすぐ手が届き操作が楽。テンキーは使いたいときすぐ使えるようマウス右横に配置するほか、単独で電卓としても使えるので汎用性が高い
⑦キーボードスライダーの利用
キーボード等の入力装置一式をスライダーに載せることで、机上台下から素早くキーボードの出し入れが可能。デスクマットに直接置くと着脱が面倒なリストレストをスライダーに置くことで、使わない時は着脱せずに素早く片付けることが可能になり一石二鳥
⑧カレンダーや付箋メモをモニター前に設置
進行中の仕事に関わる予定やメモ等を常に目に付くところに集約しておくことによって、メモの紛失や作業等のやり忘れを防ぐ
⑨頻繁に使うクリアファイルにインデックスを付ける
探す手間が省ける


<引き出し>
①板や箱で仕切りを作って小物を整理する
細かく仕切って定位置を作ることで、必要なものを探す手間なくすぐに取り出せる
②30枚貫通可能な中型穴開けパンチを常備
処理が終わった書類は即座に穴を空け、ファイリングする。これにより、机に書類が溜まったり、紛失したりするのを防ぐ
③使用頻度の高い道具(書類)ほど手前(上)に置く
必要なものはすぐ取り出せるようにする
④お菓子箱
飴玉やせんべい等を机に常備しておく。他部署の人が来たとき、他部署に用事があるときにお菓子を使い、雑談のきっかけを作る。主に若手を対象に「お菓子外交」を展開している。ちょっとしたお願いやお詫びの際に効果的だし、お菓子をあげた人から、お返しにと各地のお土産等がもらえることもある


<机下>
①革靴(サンダル)を置く
机で作業をするときはサンダル、他部署に行くときは革靴にすぐ履き替えられる
②キャスター付きラック
元々机に付属していたもので、下半分はファイル棚として利用している。上半分は普段はなるべくものを置かないようにし、臨時に保管スペースが必要になった場合の「倉庫」として利用



↑机上台下備品全展開モード。ティッシュ箱のとなりの変な箱は、種々の付箋を集めた「付箋台」。

↑机上台下備品全収納モード。A3用紙を広げてまだ余裕のある広さが確保できる。長年居場所の定まらなかったティッシュ箱がすっぽり収まったことに一番すっきりした。

↑キーボードスライダーの登場は画期的だった。机上台にすっぽり収まるサイズのものをネットで探して買った。

↑裏面には4つのローラーがついており、スムーズに出し入れ可能。一度引き出して使うと、台の自重と手の重さでローラーがマットに沈みこみ張り付いたような状態になり、固定されるため、ずれることはない。机上台の下に戻す時は少し持ち上げて「ロック解除」をする必要がある。取っ手もついていたが、邪魔だったので取り外した。

サンワサプライ TOK-MU3BK リストレスト(ブラック)

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机上台の2台置きによってスペースが立体的に拡張され、最終的にキーボードスライダーの登場によって、理想としていた机の姿がほぼ実現した。だが、これで終わりではない。業務が変われば、机に求められる機能はまた違ったものになってくるだろうし、今の用途においてもまだまだ細かい工夫の余地はあるはずだ。「便利で能率的」というこれまで追求してきた次元を超えて、次なる理想である「アイデアを生み出す」という次元にシフトしていくための青写真を描く必要がある。そしてその実現に向けて前進するために、今後も情報収集と工夫を重ね、自分流の机術に更に磨きをかけていく所存だ。無論、これらは全て、業務外の時間を活用して、の話であることは言うまでもない。

(180分:5/27、6/2)