私見

今日は市区町村から届いた平成25年度の住民税額通知書を職員に配付した。中身を見た人からの感想は聞いていないが、相変わらず高いな、なんて印象を持つ人が少なくないのではないかと思う。自分も前年度より2000円ほどアップしていた。来年度は所得に関わらず一定額を徴収する「均等割」分が増えるとかで、それをアナウンスするチラシが同封されていたところもあった。それはいいのだが、このチラシを通知書と一緒に配付する方法には骨を折らされた。チラシも通知書も名刺サイズで小さいので、配る際に気をつけないとどこかに紛れてしまいかねない。それゆえ、チラシを半分に折って、封書形式の通知書の中に差しこんで、部署別にゴムでひとまとまりにして配付するという方法をとったのだが、チラシを半分に折るのも面倒なら、それをわずかな隙間から差しこむのも面倒。その作業を一人で淡々と250枚超も繰り返したのだから、もうとにかくうんざりした。来年度のアナウンスを今したところで、いざ徴収される1年後にはほぼ全員が忘れてしまっている。何で今アナウンスするのだろう、反発を抑えるために意図的に忘れさせようとしているのか、そんな邪推さえしてしまった。マイナンバー制度が実現して、税金にかかる情報を各個人がウェブ上のポータルサイトで確認できるようになれば、こんな面倒を被ってまでアナログな周知方法をとる必要はなくなる。現在のアナログにしてローテク極まりない税制度にはつくづくうんざりする。紙で税額を通知するのはまあ当然といえど、その様式が市区町村ごとにてんでバラバラなのはどうしてなのか。三つ折した紙の一部がのり付けされた封書形式のところもあれば、中身が見えないように完全に圧着したシーラー形式のものもあり、かと思えば丸裸のただの単票を送ってくるところもある。20数か所の自治体のものを見比べると、形式もサイズもそれぞれ違う。裸の単票はそのままでは配れないため、こちらで適当な封筒に入れ直して、手書きで職員の宛名を書くという手間が生じる。非常に面倒極まりない。サイズがバラバラなのも実に困る。輪ゴムでまとめにくいからだ。各自治体がそれぞれ別々の業者やらシステムやらを使って通知書を発行しているからこういうことになるのだろう。これを全国で統一のシステムにして、通知書の形式やサイズも揃えてしまえば、従業員に配付する事業者側の負担は大きく軽減されることになる。何より、行政コストの削減になる。住民税の賦課と通知(郵送)には、全国の自治体で何千億円というコストがかかっているはずだ。この1割でも削減されたら、それだけほかの行政サービスに回すお金を増やすことが出来る。郵送する際に、B4サイズの紙をそのままのサイズで送るのではなく、二つ折にして封書を小さくするだけでも、ずい分な経費削減になる。こんな単純なアイデアがどうして実現出来ないかといえば、誰も音頭を取る存在がいないからだろう。事業者側の手間を理解していないからだろう。せっかくマイナンバー法が成立して、各個人が行政機関に存在する自己の個人情報にアクセスできるようになる道筋が描けてきたのだ。これまで個人の確認に多大な手間をかけていたのが、向こうのほうから逆に行政に近づいて来てくれるようになるかもしれない。行政による個人の管理なんていうのは発想が全く反対。行政がどんな個人情報を持っているか、それが正しいのかどうかさえ確認できなかった今までのほうがよっぽど情報漏えいや悪用の危険に満ちていたのだ。これを機会に今までの旧態依然のやり方を抜本的に見直して、行政のコスト部門の効率化・省力化を強力に推し進めてみてはどうかとつくづく思う。

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