難題

自分は一体、どうしたらいいのだろう・・・。帰国してからこの方、ずっと悩み続けている。


ドイツで過ごした2週間は、実にすばらしいものだった。一生モノの経験だったと断言していい。だがそれゆえに、自分の中にこの出来事をどのように落とし込めばよいのかということについて、心の整理がつかないでいる。単に「いい思い出ができた」で済ますことはできないのだ。一ヶ月以内に提出しなければいけない報告書や、学内での報告会が立ちはだかっているせいもあるが、今回の研修の「意味」や「価値」について、今後の人生への影響を含めた上で、観念的ではない具体的な言葉で説明しなければ、自分をして納得させることはできないと思うのである。それは非常に重い課題だ。研修中は、それについて「じっくり考えてほしい」と運営側から言われたが、悠長に構えていられるほどの時間は実際問題ないし、自分自身せっかく海外に行って得た「自分を変えるチャンス」を、このまま日常生活の中に埋没してしまうことにより損なうのは多大なロスだと考えている。それに対する危機感というのは非常に強い。一刻も早く、この研修のもたらしたものについて、自分の言葉で語らねばならない。記憶の生々しいうちに、やる気の新鮮なうちに、どうにかしなければ・・・。そんな思いに急き立てられている。


そうしたことへの対処や、9月の人事異動による仕事上の影響、研修中に放置していた記録の整理、家族の問題などなど、課題は山積しており、どれも簡単に解決できる性質のものではない。だが、一歩ずつでもいいから前へ進まなければ、少なくとも前進しているという実感を持たなければならない。にっちもさっちも行かずに足踏みしている限り、自分は永久に苦しみ続けることになるだろう。

(30分)