弱み

自分の一番の弱みは、人に無条件に頼ることが出来ないこと、人に甘えることが出来ないことだと思う。自分の弱さをさらけ出して、「自分ひとりだけでは出来ない、だからあなたの力が必要なんだ」と、周りの人に手助けを求められないということだ。ブログ上であれこれ書くことこそあれ、悩みや課題を実際に身近な人に打ち明けることはほとんどなく、とかく自分の中で抱え込みがちになってしまう。そんなことは男性なら、特に規律に厳しく旧来的な価値観の家庭で育った場合には、ありがちなことなのかもしれない。ただ、人に頼ることは、社会で生きて行く上では、どんな場面でも常に用意しておかなければならない重要な選択肢であり、それを必要に応じて適切に行使出来ること自体が一つのスキルでもある。人の力を借りることによって、自分の能力による制約を超えたことも可能になるし、頼られる側にとっても、自分自身の力が必要とされていることを実感でき、さほど負担を感じない程度であれば、頼ってきた人との信頼関係を強めることに繋がりうる。頼り上手な人は、頼るという行為によって、人間関係を広げ、強化しているのである。特に、頼る時に自分の弱さをさらけ出すことは、使い方によっては、人との距離をぐっと縮める手段ともなりうる。高い能力を持っている人が、実は弱点・欠点があるのだと示すことによって、相手に親近感と安心感を与えるという効果があるからだ。もちろん、生まれつきの人懐っこさを備えた人は、意識しているとせざるとに関係なく、そのスキルを遺憾なく発揮し、人の心を掴んでいる。そういった「頼ることの価値」を考えると、相互性と発展性がない既存の人間関係の中に閉じ籠る自分は、非常にもったいないことをしているのかもしれない。迷惑をかけたくない、図々しい、あつかましいと思われたくないと考えるあまり、多くのチャンスの芽を摘んでしまっているかもしれない。


研修を通じて多くの人と出会った今日は、この関係をどうやったら継続できるだろうかと考えさせられたのだった。

(55分、携帯)