同行

今日の11時44分、職場の先輩から電話がかかってきた。「休日に何の用だろう」と不思議に思いつつ応答すると、まず今どこにいるかを訊かれた。スキー場かと訊かれたが、天気が雨であり、山は曇っていて荒れていそうだったことから出掛けていない旨伝えると、「暇なら午後からちょっと付き合ってくれないか」という話を持ちかけられた。特段断る理由もなかったため、軽い気持ちでそれを引き受けた。そして、13時過ぎに家を出て・・・その後帰宅したのは、22時過ぎのことだった。まさか、これほど遅く(長く)なるとは思ってもみなかった。


先輩の車に同乗した後で、初めて目的地が明かされた。先輩が転勤に伴って今度引っ越すことになる、新潟市内のアパート。そこに行くのだという。何でも郵送ではもう間に合わない契約書を、直接不動産屋へ持って行くのだそうで、一人で行くのもつまらないから自分を誘ったのだそうだ。車に乗せられた後で新潟に行くと言われたので、ちょっとばかし驚いたが、自分も別に暇だったし、まあいいかと思ってそのままお供することにした。新潟には多少土地勘があるので、道案内も務めた。不動産屋に寄って書類の手続きをし、まだ空っぽのアパートの部屋を見せてもらうなどして用事を済ませると、そそくさと新潟を後にすることになった。ただ、せっかくここまで来たののだからということで、夕飯は市内で食べることにして、適当な店を探しながら旧国道116号線を走った。そして寺尾の坂を越えて、学生時代によく利用した懐かしのモスバーガーの看板を過ぎたあたりで、新大周辺の店の変わりように驚かされた。「戸田書店」が「なんじゃ村」に変わり、「ゆう遊空間」が閉店していて、居酒屋の「おんらく」(一度も入ったことがないまま潰れた。その前は、うどんの「とくとく」だった)がラーメン屋の「なおじ」になっていたのである。前の2つがいつ変わったのかは分からないが、なおじは11年9月に開店したらしい。立て続けに「変容」を目にしたため、衝撃に少し面喰ってしまった。時の移ろいを否が応にも実感させられた。


有名な「なおじ」がこんなところにあるということに先輩も興味を持ったことから、結局夕飯はここで食べることになった。自分は「味噌じろう」、先輩は「なおじろう肉 つゆなし」を注文。それぞれなんとか完食したものの、脂たっぷりでボリューム満点だったことから、食べ終えたときには二人ともげんなりした気分になっていた。そういう店であることを理解した上で入ったのにこんなことを言うのは何だが、自分はあっさり目の味噌ラーメンが好きなので、こういうギトギトしたラーメンはそれほど好みではない。でもある意味「怖いもの見たさ」で足を踏み入れたので、その意味では期待通りであり、満足した。そして、少ししみじみとした気分で、その場を後にした。



↑写真は携帯で撮ったものの。手ぶらで来たためデジカメを持っていなかった。

↑味噌じろう


その後、2時間半ほどかけて下道で上越に帰った。コンタクトをつけた目にエアコンの風が直撃したので、目がかなりきつかったのだが、行きと同様に終始会話が途切れることなく盛り上がったので、それでも楽しかったのは確かだった。先輩が転勤したら、もうこういう機会もなくなるなぁと思うと名残惜しくもあった。たまには、こういう何だか学生っぽい休日の過ごし方もいいかもしれないし、4月から入ってくる新人とも、こういう付き合い方が出来たら、ちょっと楽しいかもしれない。先輩と別れ、一人家に向かう車内でふと、そんなふうに思った。

(50分)