成果物

給与業務は、基本的に組織内からしかその姿が見えないし、組織内においてさえも、あまりその存在を意識されていない地味な仕事である。それでも自分はこの仕事がそれなりに好きなので(勉強中だからそう感じるが、同じことをいつまでもやりたいとは思わない)、自分なりに責任感を持って仕事に取り組んでいるつもりであるし、完成度の高い仕事をするために改善の努力も見えにくいところで少しずつ重ねているつもりだ。社会あるいは学内から評価されるような、形の見える結果が生じることが考えにくいこの仕事にとって、数少ない成果物の一つが、「給与明細」である。一ヶ月の仕事の集大成であり、給与明細を印刷しているときは、ちょっとした達成感と楽しさとがこみ上げてくる。うちの大学では給与明細のWEB給与明細制度が実施されているのだが、学生バイトや他大学所属の非常勤講師など一部の人についてはまだ非対応であるため、依然として紙の給与明細も印刷している。それを印刷するのが一ヶ月に一度の楽しみである。WEB明細は閲覧率が半分以下なのであまり報われないが、紙明細なら封を開いて見てくれるはずだという期待感もある。今夜はその印刷作業を行った。明日はそれを発送用に整理したりする作業をしたいと思っている。現在使っている専用の印刷用紙がなくなり次第、紙明細は完全廃止になり、全てWEB化されることになる。手間は減るし、紙の節約やコスト削減にもつながるが、個人的にはちょっとさびしいような気もして、何だか複雑な気分である。

(60分)