エンターテイナー

今日は、18時前に仕事を切り上げて、いそいそと職場を後にした。その足取りが軽かったのは、来週の月〜水が一斉休業期間であるため明日から5連休になるからではなく、これから友人のH氏に会うことになっていたからだった。


待ち合わせ場所のコンビニに着くと、彼はすぐに現れた。昨日から休みをとり、こっちに帰省しているということで、彼は私服でラフな格好をしていた。東京で働いている彼と会うのは、5月に自分が向こうに出張に行った帰りの時以来だった。さして久々でもなかったので、お互い気の抜けたような挨拶を交わしたが、お互い息災だったのは何よりだった。特に何をしようと決めてはいなかったが、夕時だったので、まずは夕飯を食いに行くことになった。


カーナビで店を調べて、中華料理店の「比他棒」へ行った。職場で話題になっていたことから、しばらく前から気になっていた店だった。「ピーターパン」と読むのかと思っていたら、「ビーターバン」なのだと行ってみて知った。言葉の意味はよく分からない。自分はちょっと奮発して「ロースステーキ定食」というのを注文した。想像していたのとちょっと違うものが出てきたが、肉はやわらかく、味付けがごはんと相性が良くて、おいしかった。スープ、ライスがおかわり自由だったので、それぞれ1回ずつおかわりした。



↑レジにドラゴンボールがあった。


食後は、ボウリングとカラオケをした。まず行ったのは、ボウリング。3ゲームしたが、H氏がアベレージで100を超えた一方、自分は62.7という惨憺たる有り様だった。ねんざが完治していない左足に体重がかけられなくて、元から変なフォームが更に歪んだため、投げる球全てが右にカーブし、ガーターを連発。全くスコアが伸びなかった。ストライクはもちろん、スペアさえもゼロで、目を覆いたくなるような状況だったが、それをあえてじっと見ていたら、自分のちっぽけさ、無力さが分かって、謙虚な気持ちになれた。ボウリングはひたすら自分との戦いで、自分と向き合う禅の修行みたいだと思った。一方で、いつもよりスコアが伸びたH氏は、自分が慢心しているのに気付き反省したという。次に、カラオケに行った。自分は低音で、響かない声で、自分勝手に歌っていたが、彼は大学時代に合唱をやっていたことからさすがに声の出し方がうまく、伸びやかで張りのある大きな声がよく響いていた。自分と違い、キーを下げたり、高音で声が出せなくなったりすることも当然なかった。特に感心したのは、実に楽しそうに歌っていたところだった。サンボマスターの歌では、画面に字幕が表示されないセリフの部分も再現し、時に絶叫して、歌っているときの表情も実に豊かだった。感情を込めて歌っているなぁと思ったし、その様子を見ていてこちらも楽しい気持ちになった。聞けば、自分の好きな歌だけでなく、人に聴かせるための歌も歌えるようにしているんだとか。彼のエンターテイナーとしての姿勢には、自分も見習わなければならないと思わされた。自分にはどうにも、人を喜ばせる、楽しませるために努力するという態度が弱いように感じるので、彼を見習って、これからは何かエンターテイナー的なことが出来るように、たまには練習でもしなければなと考えたのだった。


カラオケ後、彼を家の近くまで送り届けて別れた。時刻は23時過ぎだった。今度は東京で会おうと約束したので、来月中に遊びに行きたいと思う。

(8/13:60分)