新担当

新しい配属先は、人事の給与担当に決まった。専門知識が必要で、1人で全教職員300名以上もの給与計算を行わなければならず、何より決してミスの許されない業務であるため、とにかく大変だという話を聞いている。よりによって何でそんな重責と膨大な業務量を伴う担当に、主査や主任ではなく、自分のような経験のないヒラが任命されたのか、疑問と不安が募るばかりだ。力を見込まれての配置だ、期待されているのだと周りからは言われたが、自分にはとてもそうは思えず、今から戦々恐々たる思いでいる。


新しい仕事の引き継ぎと、今の自分の仕事の引き継ぎの両方やらなければならないため、今はかつてない大変な状況になっている。今までマイペースでやってきたツケが回ってきたと言うべきかもしれない。1年で移るとは考えていなかったから、自分が来年度に向けてあれこれやりたいと考えていた、広げようとしていた風呂敷がどのくらいの広さかさえきちんと把握していなかった。自分の後は、同じ部署の先輩が引き継ぐことになるのだが、風呂敷を縮めることなく引き渡せるかどうか、心配な気持ちはぬぐえない。しかし自分が大学を盛り上げようと頑張ってきたことなので、どうしても実行してもらいたいと思っている。ただ、引き継ぎ書なんて何をどれだけ書けばよいのか、何の手本も、自分の前任者のメモもないため、混乱するばかりだ。とはいえ決まったものはどうしようもない。大変だが今のうちに頑張って包括的に引き継ぎしておかねばならない。

(携帯、30分)