冠婚葬祭

同じ部署の人の家族が亡くなったということで、お香典を出すことになった。自分はお通夜や告別式には行かないが、代わりにお香典を室長に持って行ってもらうことにした。こういうことに関しては、今まで知識がゼロだった。葬式には丸10年行ったことがないし、こういうのはその場に立ち会わないとなかなか知る機会もないので、働き始めるまでは何にも分からなかった。香典なんて言葉もよく知らなかったと思うし、ましてや香典を出すと後で香典返しをされるなんてことは全く知らなかった。こういうことを知らないままいい歳になってしまうと、うっかり恥をかいたり人に失礼をしたりしかねない。早めに覚えておいたほうが絶対いい。そもそも子どもに学習塾なんかに行かせる時間があったら、友達と遊ばせたり、大人に交じって地域の活動に参加させたり、動植物に興味を持たせたり、掃除洗濯料理などの家事を手伝わせたり、葬儀や慶事に関する社会の常識を覚えさせたりするべきだ。受験勉強なんかより、時代の流れで陳腐化しない知識や技能を身につけ、社会性を養うことのほうがよっぽど大切である。自分に子どもがいたら、勉強は出来なくてもいいから、「人間」は出来ていて欲しいと思うが、親の人間が出来ていなければ子どもの人間も不出来なのが世の常なので、現実には叶わぬ願いかもしれない。


というわけで、話を元に戻すと、今日自分は上司にお香典を渡した。これは自分にとって全然知識がない分野の行為である。しかし、お香典を渡すという行為だけは、一通りの決まりを覚えていた。先月だったか先々月だったかに、すでにお香典を出す初めての経験を積んでいたからである。「専用の封筒を使う」、「封筒の表に『御霊前』と筆(筆ペン)で書き、その下に自分の所属(大学名)・名前を書く」、「金額は5000円が相場」といったことを、主に家族から教えてもらった。そのため今回も全く同様に対応したのだ。筆ペンは職場の机の引き出しに入っているものの、こういう機会でしか使わない。筆でなんて普段は全く書かないものだから、珍しく書いてみたところ字がヘタクソでヘタクソで・・・、我ながら呆れるほどだったが、それはまあ致し方ないことだ。ということで、お香典を出すことだけはマスター(?)したのだった。


ただ、お通夜とかは全く一度も行ったことがないので、何をどうしていいのか分からない。黒いネクタイが必要とは聞くが、それもまだ持っていない。今は出ることがないからそれでよくても、何年かするとそのうち行かなきゃならなくなる日が来るだろう。こういうのは地域ごとにそれぞれ特色があったりもするから、本を読んで覚えても必ずしも通用するとは限らない。やっぱり、誰かに付き添って参列して覚えるのが間違いがないだろうな。今すぐ対処が必要なことではないが、今後のためにいずれ何らかの手は打っておきたいと思う。

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