院試

大学院の入試(前期日程)の実施のため、今日は休日ながら出勤した。部長・課長も含め、常勤職員の半数くらいは出勤していたのではないかと思う。いつもより1時間も早い7時20分に業務を始め、解散になったのは18時45分。長い1日だった。


今日の仕事中の時間のほとんどは、待機時間だった。自分は「受付」と「案内」の仕事を割り振られていたのだが、受付はほとんど朝で終わってしまったし、案内もたまに会場が分からず迷ってしまった人や、何か要望を訴えてきた人を案内する程度。それゆえ持ち場でじっとしているばかりで、非常に暇だった。暇であるということは、試験の運営がトラブルなく円滑に進んでいるということだから、本来はよいことだ。だが、他部署の人とペアで、机に座って最大2時間連続でずっと待機し続けるというのは、これでなかなか大変なのである。雑談が盛り上がってくれば気づかないうちに時間が進むし楽しいのだが、そんなに会話ばかりも続かない。それでだんまりしてしまうことになる。そんなとき、自分は、仕事上のアイデアを紙にメモったリしていた。もう少しすると、来年度のある行事の企画をすることになり、自分はその行事の主担当となっている。今年は今まで使いまわしだったパンフレットのデザインを、大きく変えようという機運が高まっている。そのため、そのアイデアを今からよく練っておく必要があるのである。外注すると高くつくので、デザインは自分で考えなければならない。それは大変だし、責任を伴うことでもあるが、それだけに普段のルーチンな仕事とは違う「自分が作り上げたのだ」という達成感、やりがいがあるに違いない。他大学のパンフレットを見て研究したり、日常のあらゆるもののデザインを観察したりして、今少しずつ準備を進めているところなのである。だから、白い紙にペンを動かしているだけで、暇な時間は結構消えた。それでも余ってしまった時間には、立ったり座ったりを繰り返したり、壁の掲示物を眺めたりしていた。エアコンがなくて風の通りも悪いため、通りがかる人に「蒸し風呂」と評されるほど暑い場所が持ち場だったので、うちわは必需品だった。このため、今日はかなり汗をかくことになった。


1.5〜2時間の入試業務と1時間の事務室での待機のローテーションを4回くらい繰り返したら、入試の日程が終了した。最後に全員で、案内の張り紙をはがしたり、教室の机を元に戻したりして、全業務が終了。部署に戻ると、間もなく「解散」を伝える電話がかかってきた。時刻は18時45分、出勤して12時間近くが経っていた。そのまま残って仕事をする人もいたが、自分は韋駄天のごとく一目散に抜けだして帰った。こうして長く、暑い1日がようやく終わったのだった。

(60分)