ハレ

この土日は、大学入試センター試験の業務に当たっていたので、2日間とも出勤した。リスニングの担当に当たっていなかったので精神的な負担感はなかったし、特段トラブルもなく、平穏無事に予定通りに試験が終わったので、とにかくほっとした。入試業務、特にセンター試験が終わったときは、仕事帰りに一人で回転ずしを食べに行くのがすっかり自分の中での慣わしとなっている。今回も、思いのほか早く業務が終わったので、18時過ぎにかっぱ寿司に足を運び、9皿+はまぐり汁の計10点を平らげた。美味だった。それに空席待ちの家族連れ等が待合室でひしめきあっている中で、一人であったがゆえに全く待たずにカウンター席の空席に座れたのは、幸運であったのみならずちょっとした優越感さえあった。お金さえ許せば何でも自由に食べられる、飽食の時代と言われる現代の日本では、めったに食べられない「特別なごちそう」のようなものがあまり意識されなくなっているような気がするが、自分では「寿司」こそがハレの日だけに食べるべきごちそうだというふうに認識している。だから、今日のような特別な仕事が無事終わった日や、なかなか会えない友人と再会した日等には、寿司を食べに行ったりするし、スーパーで安く売っていたからといって、安易に寿司を買ったりはしないようにしている。それゆえ、寿司を食べることには、ハレを祝う一種の儀式的な意味合いが与えられているのである。今はお金がないので、全皿105円のかっぱ寿司が精いっぱいだが、いずれはきときと寿しに行って、皿の色を気にしないで好きなネタを好きなだけ食べられるような、粋な大人になりたいものである。そう、いつかは。

(25分)