忘れない

東北沖でM9.0の大地震が発生し、太平洋沿岸が津波に襲われ、多くの命が失われたあの大震災の日から、今日で9カ月が過ぎた。そのことに、ついさっき気付いた。朝、昼や19時のNHKニュースでは、きっと報道していただろう。しかし、それらを見ていなかった自分は、その事実をこれまで認識せずにいた。報道を見なければ気付けないほど、自分の中で大震災の記憶が過去のものとなりつつあることには、自分自身衝撃を覚えずにはいられなかった。新聞から、「死者・行方不明者数」の欄がなくなっていることに気付いたのも、今日のことだった。実際にその欄が掲載されなくなったのは、ネットを見る限り、もう2ヶ月も前のことのようだ。震災直後は、新聞から震災関連の記事が消えることは永久にないのではないかと思ったこともあったが、阪神大震災の記事がいつの間にかなくなっていったように、この震災の記事も少しずつ、確実に少なくなっていきつつあるのだろう。それがどうにも、悲しくてならない。まだ何も終わった訳ではないし、過ぎたたこととして片付けられてはいけないはずだからだ。「自分はずっと忘れない、人々が忘却を始める時こそ、自分が立ち上がる番だ」と思って、これまで募金やボランティア等はせず、後で何か大きなことや、息の長い取り組みをするつもりでいたが、このままでは自分までも忘却と無関心への道をたどってしまうことになりかねない。今こそ、自分が何かをしなければ時期であると、今の自分の姿を見て強く感じた。とりあえず今のところは、12月のボーナスの半額を、被災地への経済的支援となるような目的に使うことに決めている。東北を旅行するとか、東北の特産物を買うといったことを考えているが、あまり間をおかず、遅くとも今月中には、具体的な効果を生じる段階に進めたいところだ。自分だっていつ大きな災害に見舞われ、多くのものを失うことになるかもしれない。決して、他人事ではないのだ。そのことを忘れないためにも、自分は、日本人は、これからもずっと、大震災のことを胸に留めておかなくてはらならないと思うのである。

(40分)