週末スキー

11日(金)は祝日だったが、講演会があったため出勤した。そのため自分にとってこの週末は三連休ではなく、普段と同じ土日休みだった。


12日(土)は、朝から一人で杉の原スキー場に行くつもりでいた。早割リフト券を消化するためだった。自分で車を運転し一人でスキーをしに行くのは、実のところこれが初めてのことだった。朝8時のリフト運行開始と同時に滑り出すつもりでいたのだが、準備に手間取り家を出るのが遅れ、スキー場に着いたのは10時前だった。完全に遅すぎた。駐車場は満車だし、ゴンドラ前には人がごった返していたのだ。



このゴンドラ前の人だかりの最後尾に並んでから、ゴンドラに乗車するまで立ち続けることなんと35分!この時点で早くもテンションは下がっていたのだが、ゴンドラを降りて、いざ滑走し始めたら、さらにやる気をそぐ事態が生じた。「あれ、なんだどうした、おかしいぞ」と思った。なぜだか板がぐらついて、思い通りに操作できないのである。意のままに動くはずのものが、ぐらぐらして安定しないものだから、大いに慌てた。都合足を思いっきり踏ん張らざるをえず、それでも不安定なのでとても不格好な滑り方になり、身体的にも精神的にも負担がかかり疲れた。どうやら原因は、スキーブーツのサイズが大きく、ブーツの中で足が動いてしまうことにあるようだった。ブーツが足にフィットしていなければ、ブーツと一体化した板も当然ブレることになる。今回は父親から借りたスキーセットを使ったのだが、自分の足にサイズが合っていなかったらしい。先週苗場で滑った時にもこのスキーセットを使って、特段問題なく滑れていたはずだったのに、なぜ今回はうまくいかないのか、前回は足がむくんで膨れていたとでもいうのだろうか、と不審に思ったが、とにかく今この場でうまく板を操作出来ないという問題は紛れもない事実だった。それでも何とか滑れないことはなかったが、細かなコントロールが出来ないので、目の前で転んだ人をよける動作などは出来そうになかった。危険ですらあった。とてもストレスがたまり、楽しくなかったので、やる気は下がる一方だった。それでも元を取ろうと思って滑ろうとしたものの、ガスってきて視界が悪化したためスピードを出すことも出来なくなり、撤退を決意した。車に戻ったのは、13時45分。ゴンドラに乗ってから3時間も経っていなかった。もったいないとは思ったが、無為に疲れても仕方ないので、名残惜しい気持ちでスキー板を車に積み込んだ。



ここで携帯電話をチェックしてみたら、電話の着信が残っていた。Y氏からだった。電話をかけ直したら繋がったので、今スキーをしていることなど話したら、最終的に「明日スキー場に行こう」ということになった。つまり、Y氏がこっちにスノボーをしに来ることになった。連日のスキーとなると疲労がちょっと心配になるところだが、今日は早めに切り上げたおかげでそれほど疲れてもいないから大丈夫だろう。今日のリベンジもしたいし・・・と思って、彼の提案に承諾することにしたのだった。


同じスキーセットを持って再びスキーをしに来ても、同じ結果を見ることになるのは自明である。だから、道具を変えようと考えた。ならば足にフィット新しいブーツを買おうと思って、山を下ったその足でそのままスポーツデポに向かった。ブーツを新調して、板はそのまま同じものを使うというのが当初の算段だった。だがブーツを変えたら、そのブーツの外側のサイズに合わせて板のビンディングも調整しなければならない。それだと面倒だし、親と板を共用できなくなってしまうと思ったので、外側のサイズが今のブーツと同じで、内側のサイズが自分の足にジャストフィットなブーツを選ぼうと試みた。しかしそんな都合のいいものは見当たらなかった。ブーツの機能も色々あるので、適合性のためにサイズを重視するあまり、機能が不十分なブーツを選んでも満足度は低いと思われた。しばらく迷った末、ある決断をした。・・・それから1時間後、デポを出た自分の手にあったのは、スキー板とブーツだった。ブーツとセットで、自分用の板も買うことを決めたのである。ストックも買ったので、一式そろえたことになる。板はビンディング付きで2.5万円の一番安いやつを買ったが、いいものであろうと高いものを買うのはちょっと気がひけたし、カービングスキーなら何でもよかった。自分は板よりブーツを重視していたので、自分が一番気に入った、着脱性と歩行性に優れたブーツ(板と同じ値段)を選んで、そのサイズにあわせてビンディングを調整してもらった。出費は大きかったが、自分専用のスキーを手に入れたという事実は、それ以上に大きな満足感があった。


そして今日、13日(日)。7時過ぎにスキーを乗せて家を出発し、直江津駅でY氏を拾って、9時にスキー場に着いた。着いたスキー場は当初予定していた杉の原スキー場ではなく、妙高スキーパークというところだった。ファミリー向けの、すごく傾斜の緩いスキー場である。途中から道が混み始め杉の原まで行くのに時間がかかりそうに思えたのと、杉の原はスノボー初心者(2回目)のY氏には難易度が高いと思われたのが、ここに来た理由だった。ゲレンデはなだらかなものの、ここに来るまでの道路はかなり急な斜面となっており、今朝は新雪が積もっていて滑りやすかったので運転には終始慎重さが欠かせなかった。


スキーパークで1日券を買って、13時すぎまで滑った。リフト1日券は、2500円で昼食とドリンクがついているので(しかも今日はガラポン抽選会の券もついていた。Y氏は目覚まし時計、自分はティッシュ1箱が当たった)かなりお得ではある。昼飯は1000円のカツカレーと300円のアイスコーヒーを選んで、腹いっぱいになった。つまりリフト券は実質1200円だったということだ。しかし、コースが一つしかなく、リフトも1本しかないというのが、自分にはどうしても物足りなかった。リフトに10分揺られて上に着いても、下まで降りるのには3分とかからない。つまり一瞬で滑り終わってしまう。その上コースはほとんど一本道で、斜面もものすごくなだらか。自ら加速を付けないと下手すると止まってしまうくらいに。初心者向けのスキー場だと思ってはいたが、ここまでシンプルだとは思っていなかったので、ちょっと困ってしまった。しかし新しい板の感触を確かめる「ならし運転」みたいな感覚で滑走法の基本を復習しながら滑ったら、それはそれで別の楽しさがあってよかった。新しい板には、それを履いているという事実だけで、ワクワクすることができた。おそらくこれはじきに風化してしまう感覚であり、今回と次回くらいだけの特権だろうが、やはり自分の板というのは愛着が持てていいもんだなとつくづく思ったのだった。Y氏とは集合時間だけ決めて、別々に滑った。彼は今回でスノボーの腕にも自信を付けたようで、次回は杉の原へ行くということで合意することができた。今シーズンにあと2回は行こう(そうすると自分の早割リフト券が使いきれる)という話も上がったので、早ければ次の土日にもまた行くことになるかもしれない。新しい板の本領発揮の日も近いと思われる。



↑昼食券がリフト券にセットになっていた。ファミリー向けとしては圧倒的にお得だ。

↑一般客はほとんどいなかった。小学生の団体客が来ていなかったら、閑散とし過ぎて不安になるくらいだったろう。


その後は近くの温泉に浸かって程よい疲労感に包まれ、座敷で1時間半ほどリラックス。くるりの曲を聴きながら国道18号で一気に山を下り、17時過ぎに直江津駅にY氏を下ろして、17時45分ごろに帰宅した。これで明日が休日なら文句なしなんだがなぁと思うが、それはさすがに欲張り過ぎるというもの。金曜は振替で休日なので、今週はそれを目指して頑張って働きたいと思う。

(90分)