エコガインダー

帰宅後は毎日、疲れて寝そべりながらも日経新聞を読んでいるが、今日は記事の中のある単語に目が留まり、思わず見入ってしまった。その単語とは「環境超人エコガインダー」である。これは、地球を環境破壊から守るために未来からやってきたヒーロー「エコガインダー」が、環境破壊を促進しようとする悪の組織と戦いながら、子どもたちにいわゆるエコ活動の大切さを教え根付かせていくという内容の、キッズステーションの特撮番組である。2009年1月16日・17日に、偶然テレビで見かけて、特撮ヒーローと環境問題を組み合わせるという斬新な発想と、強烈なインパクトを持った主題歌に圧倒されたのをよく覚えている。しばらくその存在を忘れていたが、今日の日経の地球温暖化対策について論じた記事で、続編にあたる「エコガインダーⅡ」が作られているということが書かれていたことで、偶然思い出すことになったのだった。以下が、今でも自分の頭にしっかり残っている本番組の主題歌(Ⅱでも引き続き使用されている)である。



↑悪役としてAKB48秋元才加が出演している。


最初にこの番組を見た大学3年の当時は、この番組で「エコ」な行動として取り上げられている事例を見て、「こんなのはぬるい。こんなんじゃ温暖化ストップなんて無理。子どもを洗脳する気か!」と思った(かどうか、感想を記した記録がないので本当のところ確証は持てないのだが、たぶんこう感じていたはず)。当時の自分は、環境経済学のゼミに入っていたこともあり、移動手段は基本的に自転車で、冬でもコタツしか暖房を使わないなど、環境問題に関してはかなり真剣だった。だから、エコガインダーの説くエコロジーがかなり生ぬるく映ったのだ。だが、現在の自分はといえば、通勤のためにガソリンを1日2L消費し、スーパーでレジ袋を断らず、自分の部屋では暑さを我慢せずすぐにエアコンをつけるなど、当時の自分に非難されそうなダメ人間になってしまっている。当時の自分にあって、今の自分にないもの。それは「当事者意識」だろう。環境を破壊したら、結局将来的に自分がそのツケを払う羽目になるという意識が、当時の自分にはあった。それは自分は生きているうちにツケを払わされることになる側の世代、すなわち「将来世代」だという意識でもあった。だが、働きだしたら、自分の将来が先のほうまで、終わりのほうまで何だか見通しがついてしまい、自分が社会の将来を担ってやる!という自負のようなものがことごとく消えてしまった。要するに、精神的な若さが失われ、すっかり心が老いてしまったのである。もともと環境問題については、「地球のため」のような訳のわからない理由ではなく、自分が迷惑を被らないために取り組むのだ、長期的な自分の損得勘定で捉えて考えるべきだと思っていただけに、余計にモチベーションは下がったというわけだ。自分の子どもでもいれば、その子のために、とか思えるのだろうが、当然そういう立場でもないので、積極的に環境問題に取り組むインセンティブは今のところないといえる。今の環境問題に対する取り組みは、実家に住みエネルギー消費を節減するという消極的なものに限られている。もしかしたら自分が案外石油の可採年数よりも長生きするかもしれないので、環境保全のために動く必要はあるのだろうが・・・。自転車通勤は、今の気持では、いつまでたっても実現しそうにないな。解消しなければいけない課題が多く、面倒くさすぎる。

(75分)