ゴム銃 その1

完成したときの「やった!!」という達成感、そして初めて撃ってみたときの「動いた!!」という興奮と感動。それによって更に沸き起こり、高まり続ける達成感。自分の中で勝利のファンファーレ(FF)がいつまでたっても鳴り止まない。3頭身のキャラがいつまでもいつまでもバンザイを続けている・・・。


もうあまりに嬉しくて、心がはしゃいでしまって、つい訳の分からないことを書いてしまった。何が完成したかというと、手作りのゴム銃(ゴム鉄砲)が完成したのである。総製作時間11時間半という大作だ。完成したといっても、動かせるようになっただけで、まだ最終加工が残っているので、本当の完成に至るにはあと1時間くらいかかるだろう。この銃の大きなポイントは2つある。1つは、「ほぼ全てが厚紙と段ボールで出来ている」という点。もう1つは、「連射式である」という点だ。詳しいことは後日別記事で説明するとして、連射式のゴム銃を段ボールを加工して作るというのは、かなり大変な作業だった。「作りたい」という意志だけを頼りに、何もないところから無我夢中で設計図を描き起こし、部屋に転がっていたamazon段ボール箱をつぶしてパーツを切り抜き、それをずれないように慎重に貼り合わせて、弱々しい薄い段ボールを積層構造にすることで強化していく。そうして出来たフレーム(本体)に、引き金等の発射機構を組みつけて、輪ゴムを装填し、いざ引き金を引くと、頭の中で描いていた通りに完璧に動作し、スムーズに輪ゴムが連射される。この喜びといったら、それはもう、本当に格別だった。「ものづくりの喜び」とでも言おうか。ただの段ボール箱が、自分の手によって、別の形と機能を持った存在に生まれ変わったという事実に、果てしない達成感が沸き起こったのである。その感動が暴走してつい、平日の夜遅くにも関わらず自分にこんな記事を書かせてしまった訳だ。



↑設計図を複写してから段ボールに転記し、カッターと定規を使ってパーツを切りだす。

↑積層構造で強度を得るために、パーツはかなりの枚数を要した。

↑ゴム銃の心臓部分である発射機構。このたった2つの部品でセミオート連射が可能になる。回転翼(右の部品)は新規製作したものの、引き金との作動相性が悪かったので、7年前の部品を転用した。フレーム(段ボール)とシャフト(爪楊枝)の強度的に装填弾数は8発が限界だが、構造がもっと頑丈ならいくらでも撃てる。この発射機構は、ネットでアイデアを得たもので自分の発案ではない。

↑完成したゴム銃と設計図。二次元の設計図から三次元のゴム銃が飛び出したような錯覚に襲われた。

↑素っ気なくざらっとした段ボールの表面がむき出しだが、これがかえって味を出している。

↑輪ゴムを装填した状態。撃つとわずかな反動がある。


そもそもこのゴム銃は、昨日までの3連休の間に作り始めたものである。土曜日の夜、7年位前に自作した同じ連射構造のゴム銃をふと手に取り、撃ってみたところ、無性に新しいものを作ってみたくなった。それで翌日の日曜日に制作を開始。自室が工作室に変わり、床に段ボール片が散らばった。月曜、今朝と、短いスキマの時間にも作業を続け、今夜ようやく出来上がった。その集中力たるや、まさに衝動のなせる業である。衝動に突き動かされたおかげで、途中で諦めずに最後まで到達することが出来た。自分でもやれば出来るんだな、なんてちょっとだけ自信を感じた。人からしたら、「たかがゴム銃を作ったくらいで。お前はガキか」と思われるかもしれない。でも「自分のやりたいことを、純粋に自分の力のみで成し遂げた」ということは、例えその行動の中身が何であろうと、やはり価値のあることだと思うので、自分ではとても満足している。製作費は、パーツの接着に使うために買った両面テープ代200円のみ。ほかは道具も含めて全て家(というかほぼ自室内)にあったものしか使っていない。とても安上がりな工作であり、時間さえ許せばいくらでも作ることが出来る。風化しつつあった「ゴム銃」という趣味が、今ここによみがえった。これから、作って、眺めて、撃って、この趣味を深めて行くつもりである。

(75分)


<2013/9/12:追記>

GG-05 ラフ図面.pdf
※2017年7月に「はてなダイアリープラス」を解約したため、現在上記リンクは利用不可。

<2015/1/3:追記>
はてなフォトライフに「ゴム銃」の写真フォルダを作りました。

<2019/07/21:追記>
GG-06 設計図面.pdf
※旧図面が利用不可となっていたため、新たに最新機種の図面を掲載。→現在はリンク切れ。

<2022/02/23:追記>
GG-06 設計図面.pdf
※2019年掲載の図面を再掲載。